はじめ
肥満症は外来治療を通じて食事、運動療法を行い、一生使える健康リテラシーを育てることでリバウンド防止と生活習慣病にならない身体づくりを行います。しかし、高度肥満症のため日常生活に影響がでている人については精神的な問題なども相まって、減量が上手くいかないケースが多くみられます。
今回は「肥満外来だけじゃない!入院治療という選択肢とその効果とは?」をテーマに記事を作成しました。あまり知られていない肥満症に対する入院治療についてまとめてみましたので最後までご覧ください!
肥満症治療の現状と課題
肥満外来の普及とその役割
近年、生活習慣病の予防や改善を目的とした肥満外来が全国的に普及し、かかりつけ医や専門クリニックでの診療が受けられるようになっています。食事・運動・薬物療法などを通じ、外来ベースでの継続的な治療が可能です。しかし、外来治療には「生活環境の改善が難しい」、「本人の意識に依存する部分が大きい」といった限界もあります。
なぜ入院治療は減っているのか?
入院治療は、かつて肥満症治療の主流の一つでしたが、現在は入院対応をしている医療機関は限られています。その背景には、医療費削減の動きや、入院ベッドの確保が難しくなっている現状があるほか、患者側の時間的な制約も無視できません。
しかし、重度の肥満症や合併症を伴うケース、生活環境のリセットが必要な患者にとって、入院治療は今でも非常に有効な選択肢となり得ます。
肥満症における入院治療の重要性
生活習慣のリセットができる
入院の最大のメリットは、「強制的な環境のリセットができること」です。日常生活から離れ、食事や運動を含めた生活習慣をゼロから見直すことで、根本的な体質改善が目指せます。
医師・管理栄養士・心理士のチーム医療
入院治療では、医師だけでなく、管理栄養士、理学療法士、心理士といった多職種がチームとなり、個別に対応することが可能です。患者一人ひとりの背景(食習慣、心理的要因、社会的要因)を踏まえた上で、包括的な治療が行われるため、効果も持続しやすくなります。
入院治療で得られる具体的なメリット
食事・運動・心理の一体的アプローチ
外来治療では時間が限られるため、どうしても断片的な指導になりがちですが、入院では「1日3食の指導」、「運動療法の実践」、「グループワークやカウンセリング」など、密度の高い治療が可能です。この三位一体のアプローチにより、患者の生活全体を変えていくことができます。
短期間での体重・指標の改善例
一部の医療機関での報告では、約1週間~10日間の入院で、5kg〜10kgの減量や、血糖値・血圧・脂質の改善が見られるケースもあります。これにより、患者本人が「できる」という成功体験を得ることができ、その後の治療継続に対するモチベーションにも繋がります。
入院治療の流れと費用について
入院期間と主なプログラム内容
入院期間は、平均すると約1週間~10日間が多くなっています。大まかな流れは以下の通りです。
- 🩺 初期評価(血液検査、体組成分析、心理テストなど)
- 🍽️ 食事療法・運動療法・心理療法の実施
- 📋 退院前評価(最終チェック・今後の生活プラン確認)
プログラムの中では、患者自身が自分の課題を明確にし、自立した生活へと戻っていけるようサポートを行います。
保険適用や自己負担の目安
肥満症が病名として診断され、医師が必要と判断した場合は、基本的に健康保険が適用されます。
※医療機関によっては、1か月以上の長期入院プログラムを実施している場合もあります。事前に確認しておきましょう。
肥満治療を成功させるために必要なこと
外来と入院をどう使い分けるか?
原則として、肥満症は外来治療で完結します。私も多くの方の肥満症治療を行っていますが、本当に入院が必要であった方は5人もいません。BMIが50を超える肥満症の方でも通院治療を行っています。
入院が必要となるケースは次の通りです。
- ✔️ 高度肥満症のため日常生活に支障があり、自分の努力だけでは改善が難しい場合
- ✔️ 過食症やADHDなどが理由で抗精神病薬の調整が必要な場合
また、入院治療では「目標を決めて取り組むこと」や「約束を守ることができる」という姿勢が非常に重要です。
なお、「毎回10kg痩せるために入院したい」、「経済的な理由で入院費がかからないから入院したい」などの理由だけでは、医療上の正当な必要性がないと判断され、入院紹介は行っていません。
肥満症治療は「一時的な減量」ではなく、「生活の再設計」と言えるほど大きな取り組みです。モチベーションを維持するためには、短期目標を設定し、小さな成功体験を積み重ねていくことが大切です。入院治療は、その第一歩を踏み出すための強力な手段となります。
まとめ
外来中心にシフトしてきた肥満症治療ですが、「入院」という選択肢は今でも非常に有効で価値の高い手段です。
生活環境を一度リセットし、専門家のサポートを受けながら新たなスタートを切ることで、その後の生活にも良い影響を与えます。
今後、社会全体で肥満症に対する理解が進み、「入院してでも本気で治す」という選択肢がもっと広がることが望まれます。
そして、そのニーズに応えるための体制づくりも、これからますます重要になっていくでしょう。
院長紹介
医療法人グッドライフグループ/グッドライフクリニック西町南
理事長/院長 野呂昇平(のろしょうへい)
旭川医科大学卒業
- 日本救急医学会 救急科専門医
- 日本産業衛生学会 産業衛生専攻医
- 日本脳神経外科学会 専門医
- 日本脳神経血管内治療学会 専門医
- 日本脳卒中学会 専門医
- 日本医師会認定健康スポーツ医
- 日本医師会認定産業医
- 健康運動指導士
- JATEC インストラクター
- ICLS認定インストラクター

ご挨拶
グッドライフクリニック西町南の野呂昇平と申します。
脳神経外科医として多くの手術症例や研究を経て、救急科専門医として札幌孝仁会記念病院(旧北海道大野記念病院)で西区や手稲区を中心に救急症例を診てきました。
2021年8月に現在の西町南に生活習慣病や在宅医療を中心に行う「グッドライフクリニック西町南」を開業。
2024年4月より医療法人グッドライフグループを設立。同時にクリニックの拡張工事を行い、生活習慣病や肥満外来以外にも新たに一般内科や通所リハビリテーション機能を備えたクリニックとして体制を整えました。
当院の特徴
① 幅広い疾患への対応と札幌市でも少ない生活習慣病に特化した外来
外科医、救急医としての専門性を基盤にし、生活習慣病や緊急疾患に対する診療を数多く行ってきました。メディカルフィットネスを併設しており、運動と食事を中心に丁寧な外来診療を心掛けております。
電話かオンラインでの予約制のため、受付~会計まで30分以内を目標にスタッフ一同努力しております。
② 充実した在宅医療、自慢のスタッフ
当院では訪問診療だけではなく、訪問看護、訪問リハビリテーションを行っており、通院が困難な患者様に対して医療保険と介護保険を利用したサービスを提供しております。私自身も救急医として、通常の在宅医が困難な処置や急変時の対応を得意としております。
当院の在宅医療の最大の特徴は訪問リハビリテーションです。「脳卒中」「運動器」「心血管」を専門とする多くの理学療法士が所属しており、スタッフの自己研鑽によりほとんどが健康運動指導士や公認パーソナルトレーナーなどの資格を有しております。
③ 積極的な予防医学の実施
当院では一般的な健診はもちろんのこと、該当する方には、医師、保健師、管理栄養士による特定保健指導を行います。積極的支援の対象の方は、併設するメディカルフィットネスを利用し、運動食事プログラムを行います。
また産業医の活動の一環として、企業で生活習慣病を指摘された方の診察や保健指導、集団予防接種を積極的に行っております。
健康教育の普及のために地区センターへの講演会、健康運動教室も定期的に開催しております。
外来紹介
- 生活習慣病外来
- 肥満外来
- 小児肥満外来
- 睡眠時無呼吸外来
- 禁煙外来
- 頭痛外来
- アレルギー外来
- 各種ワクチン接種

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