「会社の健康診断で血圧が高いと言われたけど、どうしたらいいのかわからない…」
「D判定だったけど、忙しくて病院に行く時間がない…」
こうした声を企業健診後によく耳にします。健康診断は自分の体の現在地を知る大切な機会ですが、その後の対応をしなければ意味がありません。特に高血圧は自覚症状が少ないまま進行する「サイレントキラー」と呼ばれる病気です。
今回は、札幌市西区のグッドライフクリニック西町南より「企業の健康診断で高血圧と診断された場合に取るべき対応」について、詳しくご紹介していきます。
目次
健康診断の結果「高血圧」と書かれていたらどうすべき?
まず、健康診断の血圧評価の目安は以下のとおりです
- 正常:< 130 / < 85 mmHg
- 正常高値:130〜139 / 85〜89 mmHg
- 軽度高血圧(Ⅰ度):140〜159 / 90〜99 mmHg
- 中等度高血圧(Ⅱ度):160〜179 / 100〜109 mmHg
- 重度高血圧(Ⅲ度):180 / 110 mmHg 以上
一般的に、135/85 mmHgを超えた場合に「高め」と判断され、140/90 mmHg以上で「高血圧」と診断されます。診断結果が「C判定」や「D判定」となっていた場合、再検査・精密検査を受ける必要があります。
特に「D判定」は、医療機関での受診が強く推奨される状態です。
高血圧を放置すると何が起きる?
高血圧はそれだけで自覚症状がないことがほとんどです。しかし、放っておくと以下のような重大な病気の引き金となります。
● 脳卒中(脳出血・脳梗塞)
脳の血管が破れたり詰まることで、半身麻痺や言語障害などの後遺症が残る可能性があります。
● 心筋梗塞
心臓の血管が詰まり、命に関わる緊急疾患です。胸の痛みだけでなく、左肩や背中、歯の痛みとして現れることもあります。
● 慢性腎臓病(CKD)
腎機能の低下により、将来的に透析が必要となるリスクが高まります。
これらはすべて、高血圧を放置したことによる「合併症」です。特に働き盛りの世代では、忙しさから受診を後回しにしてしまい、症状が出た時にはすでに進行していた…というケースも珍しくありません。
なぜ企業の健康診断で高血圧が多く見つかるのか
当院でも多くの企業健診を行っておりますが、高血圧を指摘される方は非常に多く、その割合は年々増えています。その理由は以下の通りです
- デスクワーク中心で運動不足になりがち
- ストレスや睡眠不足が多く、交感神経が優位
- 外食やコンビニ食で塩分が多くなりやすい
- 飲酒や喫煙などの生活習慣の乱れ
特に30代後半から40代のビジネスパーソンは、症状がないまま高血圧が進行していることも多く、健診で初めて指摘されて驚かれる方も多いのです。
健康診断で高血圧を指摘されたらすぐにやるべき3つのこと
① 医療機関の受診
まずは「高血圧かどうかの確定診断」を受けることが大切です。健康診断では1回だけの測定のため、「白衣高血圧(病院で測ると緊張して血圧が上がる)」の可能性もあります。
当院では、家庭血圧の記録をもとに診断を行っています。初診時には問診、家庭での血圧測定方法の指導、必要に応じて採血や心電図を行い、リスク評価を行います。
② 血圧計を購入して1週間記録する
毎朝と毎晩、安静状態で測った血圧を記録することが重要です。1週間記録することで、継続的な高血圧かどうかを見極める材料になります。
家庭での血圧測定
- 起床時・就寝前の2回測定
- 135/85mmHg以上が続く場合は高血圧の可能性が高い
③ 生活習慣を見直す
病院に行く前でもできることはあります。下記のような習慣の見直しが、血圧改善の第一歩です。
今日からできる高血圧対策!7つの生活改善
1. 減塩を意識する(目安は1日6g未満)
- 味噌汁は具だくさんにし、だしを効かせる
- しょうゆは「かける」ではなく「つける」
- 加工食品(漬物、ハム、インスタントラーメン)は控えめに
2. 有酸素運動を週150分以上
- ウォーキング・軽いジョギング・自転車がおすすめ
- 通勤時に1駅分歩くだけでもOK
3. 禁煙・節酒
- 喫煙は血管を収縮させ、血圧を上昇させます
- 飲酒は週2回以上の休肝日を設ける
4. 野菜・魚中心の和食を意識
- 野菜は1日350gを目標に
- 青魚(サバ・イワシ・サンマ)には血圧改善に効果的なDHA・EPAが豊富
5. 体重を5%減らすだけで効果あり
- BMI 25以上の方は、まずは「3kg減量」から目標にしましょう
6. ストレスマネジメントと十分な睡眠
- 深呼吸やストレッチ、趣味の時間をつくる
- 6時間以上の睡眠を心がける
7. 定期的に血圧をチェック
- 血圧は「管理」できる指標です
- 血圧ノートやスマホアプリの活用もおすすめ
受診のタイミングは?すぐ行くべきケースとは
以下のような方は、できるだけ早めの受診をおすすめします。
- 最高血圧が160mmHgを超えている
- めまい、ふらつき、頭痛、動悸などの症状がある
- 家族に脳卒中や心筋梗塞の既往がある
- 糖尿病や脂質異常症も指摘されている
医療機関では、リスクに応じて「経過観察」「生活習慣改善」「薬物療法」を組み合わせた治療方針を立てていきます。
「薬を飲み始めたら一生続けるのか?」という疑問について
よく患者さんから「薬を飲み始めると一生やめられないのでは」と質問されます。当院では、生活習慣の改善により薬を減らす・中止することも可能と考えています。
しかし、それは自己判断ではなく、医師の指導のもとで行う必要があります。
血圧が正常化したからといって薬を勝手に中断すると、リバウンドで急に高血圧になり、むしろ脳卒中のリスクが上がる場合もあります。
まとめ ~健康診断後こそ「行動」が大切~
高血圧は放置してはいけない病気です。症状がないからといって安心せず、健康診断の結果を受け止めて、具体的に行動を起こすことが重要です。
特に企業健診を受けた方は「指摘されて終わり」ではなく、「受診→診断→生活改善→再評価」の流れを踏むことで、大きな病気を未然に防ぐことができます。
当院では健康診断後の再検査・生活習慣の相談に対応しています
グッドライフクリニック西町南では、健康診断後の再検査や血圧測定、生活習慣の見直し、薬物治療の必要性の有無まで一人ひとりに合わせたアドバイスを行っております。
まずはお気軽にご相談ください。予約制での診療を行っておりますので、お電話やWebからのご予約をお待ちしております。
以上、「企業の健康診断で高血圧と診断された場合に取るべき対応」についてお伝えしました。今後も週1〜2回のペースで、皆さまの健康に役立つ情報を発信していきます。
院長紹介
医療法人グッドライフグループ/グッドライフクリニック西町南
理事長/院長 野呂昇平(のろしょうへい)
旭川医科大学卒業
- 日本救急医学会 救急科専門医
- 日本産業衛生学会 産業衛生専攻医
- 日本脳神経外科学会 専門医
- 日本脳神経血管内治療学会 専門医
- 日本脳卒中学会 専門医
- 日本医師会認定健康スポーツ医
- 日本医師会認定産業医
- 健康運動指導士
- JATEC インストラクター
- ICLS認定インストラクター

ご挨拶
グッドライフクリニック西町南の野呂昇平と申します。
脳神経外科医として多くの手術症例や研究を経て、救急科専門医として札幌孝仁会記念病院(旧北海道大野記念病院)で西区や手稲区を中心に救急症例を診てきました。
2021年8月に現在の西町南に生活習慣病や在宅医療を中心に行う「グッドライフクリニック西町南」を開業。
2024年4月より医療法人グッドライフグループを設立。同時にクリニックの拡張工事を行い、生活習慣病や肥満外来以外にも新たに一般内科や通所リハビリテーション機能を備えたクリニックとして体制を整えました。
当院の特徴
① 幅広い疾患への対応と札幌市でも少ない生活習慣病に特化した外来
外科医、救急医としての専門性を基盤にし、生活習慣病や緊急疾患に対する診療を数多く行ってきました。メディカルフィットネスを併設しており、運動と食事を中心に丁寧な外来診療を心掛けております。
電話かオンラインでの予約制のため、受付~会計まで30分以内を目標にスタッフ一同努力しております。
② 充実した在宅医療、自慢のスタッフ
当院では訪問診療だけではなく、訪問看護、訪問リハビリテーションを行っており、通院が困難な患者様に対して医療保険と介護保険を利用したサービスを提供しております。私自身も救急医として、通常の在宅医が困難な処置や急変時の対応を得意としております。
当院の在宅医療の最大の特徴は訪問リハビリテーションです。「脳卒中」「運動器」「心血管」を専門とする多くの理学療法士が所属しており、スタッフの自己研鑽によりほとんどが健康運動指導士や公認パーソナルトレーナーなどの資格を有しております。
③ 積極的な予防医学の実施
当院では一般的な健診はもちろんのこと、該当する方には、医師、保健師、管理栄養士による特定保健指導を行います。積極的支援の対象の方は、併設するメディカルフィットネスを利用し、運動食事プログラムを行います。
また産業医の活動の一環として、企業で生活習慣病を指摘された方の診察や保健指導、集団予防接種を積極的に行っております。
健康教育の普及のために地区センターへの講演会、健康運動教室も定期的に開催しております。
外来紹介
- 生活習慣病外来
- 肥満外来
- 小児肥満外来
- 睡眠時無呼吸外来
- 禁煙外来
- 頭痛外来
- アレルギー外来
- 各種ワクチン接種

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生活習慣病のこと、お気軽にご相談ください。





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