「最近、うちの子の姿勢が気になる…」
「ゲームや動画ばかりで運動不足になっていないかな…」
「子どもなのに、腰が痛い・肩がこると言っている」
そんなお悩みをお持ちの保護者の方は多いのではないでしょうか。
今回は札幌市西区のグッドライフクリニック西町南より、「子どもの肥満と姿勢の乱れ」についてお届けいたします。姿勢の問題は見た目だけでなく、健康や学習能力、将来的な疾患リスクにも関わります。正しい知識を持ち、早期の対策を心がけましょう。
目次
小児の姿勢の乱れが急増中
近年、成長期の子どもたちにおいて「猫背」や「反り腰(そりごし)」といった姿勢の乱れが増えています。その背景には、次のような要因があります。
1. 運動不足
屋外での遊びやスポーツの時間が減り、筋力の発達が不十分になることで、正しい姿勢を保つ力が育ちにくくなります。
2. スマートフォンやゲーム、タブレットの長時間使用
下を向いた姿勢が続くと背中が丸まりやすくなり、猫背の原因になります。また、座っている時間が長くなることで骨盤が後傾し、反り腰になることも。
3. 肥満傾向のある子どもが増加
体重の増加により、骨格への負担が大きくなり、正しい姿勢を保つのが難しくなります。特に下腹部に脂肪がつくと、体のバランスを取るために腰を過剰に反らせる「反り腰」になりやすいです。
姿勢の乱れがもたらす影響とは?
● 骨や筋肉の発達に悪影響
成長期は骨格が急速に形成される大切な時期です。姿勢が悪いと特定の部位に負荷が集中し、筋肉や関節の不均衡を引き起こします。
● 呼吸や消化機能の低下
猫背になると肺が十分に広がらず、呼吸が浅くなります。酸素供給が不十分となり、疲れやすくなったり集中力が低下したりすることも。内臓が圧迫されて便秘や胃もたれを訴えることもあります。
● 学習や集中力への影響
姿勢が悪いと長時間の座位が辛くなり、集中力の持続が困難になります。特に椅子に浅く座り、背もたれにもたれる姿勢は、背骨と骨盤に大きな負担を与えます。
特に注意したい2つのタイプ
【猫背(円背)】
- 背中が丸くなり、肩が前に出ている状態
- 頭の位置が前方に出て、首や肩の筋肉に過剰な負担がかかる
- 症状:肩こり、頭痛、集中力低下、視力の悪化 など
【反り腰(過前弯)】
- 腰が過度に反り、お腹が前に出る姿勢
- 骨盤が前に傾き、腰椎に大きなストレスがかかる
- 症状:腰痛、太ももの前側の張り、便秘 など
肥満と姿勢の悪化の関係
子どもの肥満は、見た目だけでなく運動器や内臓への負担を増加させ、姿勢の悪化に関係するとされています。
● 肥満が姿勢に与える影響
- 上半身の重さを支えるため、腰椎の前弯が強まり反り腰になる
- 下半身の筋力不足で膝が内側に入り、ガニ股や内股になる
- 体幹の筋力不足により、猫背姿勢を取りがちになる
● 子どもの肥満率は増加傾向
文部科学省の調査によると、特に小学校高学年〜中学生の男子において肥満傾向児の割合が増加しています。家庭での運動習慣の見直しが求められています。
家庭でできるチェックポイント
以下の方法で、お子さんの姿勢を簡単に確認できます。
□ 横から見て、耳・肩・股関節・膝・くるぶしが一直線に並んでいるか
→ 頭が前に出ていたり、腰が反っている場合は要注意
□ 肩の高さが左右で違っていないか
→ 体のバランスが崩れている可能性あり
□ 椅子に座った時に背もたれに頼っていないか
→ 腰・背筋の筋力が弱っている証拠です
姿勢と肥満の改善には「生活習慣の見直し」がカギ
1. 毎日の運動習慣を
- 1日30分程度の屋外遊びを習慣に
- 体幹トレーニング(バランスボール・プランクなど)も有効
- スクワットや軽いジャンプ運動で下半身を鍛えるのもおすすめ
2. 食生活の見直しを
- 朝食をしっかり食べる
- 甘い飲料やお菓子の量を見直す
- 栄養バランスを考えた食事(タンパク質・カルシウム・鉄分など)
3. 正しい座り方を教える
- 背筋を伸ばし、足裏が床につく高さの椅子を使う
- テーブルと椅子の高さのバランスを見直す
- ゲームやスマホの利用は時間を決めて、30分ごとに体を動かす
医療機関に相談すべきケース
以下のような症状がある場合は、整形外科や小児科への相談をおすすめします。
- 頭痛や肩こり、腰痛を頻繁に訴える
- 姿勢の歪みが目立ち、改善がみられない
- 成長痛とは異なる関節の痛みを繰り返す
- 学校生活に支障が出ている(集中力・運動能力の低下など)
当院では、お子さまの姿勢や発育に関するご相談も受け付けております。保護者の方だけのご来院も可能ですので、まずはお気軽にお問合せください。
まとめ
子どもの肥満や姿勢の乱れは、将来の健康に深く関わります。「成長すれば治る」と軽く見ず、家庭での習慣づくりと早期のサポートが大切です。
本日お伝えしたいことはこの3点です。
- 子どもの猫背・反り腰は、肥満や生活習慣が関係している
- 姿勢の乱れは、筋骨格系だけでなく集中力や内臓機能にも影響を及ぼす可能性あり
- 早期発見と生活習慣の見直しが、健康な成長への第一歩
お子さまの健やかな成長のため、ぜひご家庭でも「姿勢チェック」してみてください。
今後もグッドライフクリニック西町南では、地域の皆さまのお役に立つ情報を発信していきます。