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糖尿病とは?現代人が直面する生活習慣病の代表格
糖尿病とは、血糖値が慢性的に高い状態が続く病気です。主に「1型糖尿病」と「2型糖尿病」があり、特に生活習慣の影響を受けやすいのが2型糖尿病です。現代日本では、20歳以上の成人のうち、糖尿病または予備群とされる人は約2,000万人と推計されています。
糖尿病が進行すると、神経障害・網膜症・腎症などの「三大合併症」や、動脈硬化による心筋梗塞・脳卒中など、命にかかわる疾患のリスクが高まります。そのため、早期発見・早期対策が非常に重要です。
血液検査でわかる糖尿病の兆候とその数値
糖尿病は、自覚症状がほとんどないことが特徴です。そのため、健康診断や定期的な血液検査が、最も有効な発見手段となります。
血液検査では、血糖値やHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)を測定することで、血糖の状態や過去1〜2ヶ月の平均的な血糖コントロール状態がわかります。
以下が糖尿病診断の主な基準です
項目 基準値 糖尿病疑い
空腹時血糖値 70〜99mg/dL 126mg/dL以上
HbA1c 4.6〜6.2% 6.5%以上
よく使われる糖尿病関連の血液検査の種類と意味
糖尿病の診断・経過観察において重要な血液検査項目には、以下のようなものがあります
・空腹時血糖値
食事を摂っていない状態の血糖値。高いと糖尿病が疑われます。
・随時血糖値
時間帯を問わず採血された血糖値。200mg/dL以上は要注意。
・HbA1c
過去1〜2ヶ月の平均的な血糖値の指標。
・インスリン分泌能検査(IRIなど)
体がどれくらいインスリンを出せているかを見る。
・Cペプチド
インスリン分泌能力の評価に使われる指標。
これらの検査を組み合わせて診断・治療方針を決めていきます。
血液検査の結果をどう読み解く?HbA1c・空腹時血糖値などの見方
検査結果の見方を知ることで、自身の健康状態を正確に把握することが可能です。
HbA1cが6.5%以上
糖尿病の可能性が高い。医師による再検査・追加検査が必要です。
HbA1cが5.6〜6.4%の間
糖尿病予備群。生活改善で予防が可能。
空腹時血糖が100〜125mg/dL
境界型。食事や運動で改善が期待されます。
大切なのは、一度の検査で判断せず、継続的に観察することです。特に40歳以上の方は、年に1回以上の検査をおすすめします。
血液検査から始める糖尿病予防と改善のポイント
血液検査で「糖尿病のリスクあり」と言われた場合、落ち込む必要はありません。むしろ早期に発見できたことがチャンスです。
以下のような対策で改善が見込めます
・バランスの良い食事(高タンパク・低糖質)
・定期的な運動(ウォーキング、軽い筋トレなど)
・禁煙・節酒
・十分な睡眠とストレス管理
特にHbA1cは生活習慣の改善により、2〜3ヶ月で明確な変化が出やすい指標です。医師と相談しながら、自分に合った対策を実践しましょう。
まとめ ~糖尿病と血液検査の関係を知り、未来の健康を守る~
糖尿病は「沈黙の病気」とも呼ばれ、自覚症状が出にくい反面、合併症のリスクが非常に高い疾患です。
しかし、血液検査というシンプルな手段で早期発見・予防が可能です。
定期的な検査を受け、自分の数値を知ることで、糖尿病を「未然に防ぐ」ことができます。
糖尿病のリスクが少しでも気になる方は、年1回の血液検査から始めてみましょう。