こんにちは。札幌市西区のグッドライフクリニック西町南です。
当院では地域の皆さまの健康を守るために、外来診療だけではなく、地域医療の一環として「学校医」としての活動にも力を入れています。今回は、「学校医とは何をしているの?」「どんな場面で関わっているの?」といった疑問にお答えしながら、当院が地域の小中学校とどのように連携しているかをご紹介します。
そもそも学校医とは?
学校医は、文部科学省が定める学校保健安全法に基づき、各学校に配置される医師のことを指します。主な役割として以下のようなものがあります。
- 定期健康診断(内科検診)の実施
- 健康相談や保健指導への助言
- 感染症が発生した際の対応支援
- けがや病気への応急対応に関する助言
- 保健だよりや学校内での講話などを通じた健康教育
医療行為は原則として行いませんが、「子どもたちが健やかに学び、生活する環境を整える」ことが学校医の使命です。
当院の学校医としての具体的な取り組み
1. 定期健康診断の実施
春と秋にそれぞれ、地域の小中学校から依頼を受け、内科検診を担当しています。身長・体重、視力、聴力の基本的な検査に加えて、内科的な視点から「不整脈」「喘息の傾向」「起立性調節障害」などの兆候を早期に発見する機会にもなります。
保護者の方からの事前アンケートに記載された「気になる症状」なども確認しながら、子どもたち一人ひとりと丁寧に向き合っています。
2. 感染症対応のアドバイス
インフルエンザや新型コロナウイルスが流行した際には、学校と連携して「学級閉鎖」や「登校再開」の判断に関する医師の意見が求められます。
当院では、札幌市の感染動向や近隣医療機関の情報と照らし合わせながら、適切な対応を助言し、集団生活の中での感染拡大防止に尽力しています。
3. 思春期特有の心身の悩み相談
近年、子どもたちの心と体の不調に関する相談が増えています。
特に中学生では、
- 朝起きられない(起立性調節障害、スマホ依存)
- 食欲がない、痩せてきた(摂食障害)
- 学校に行きたくない(不登校・ストレス性の体調不良)
- 頭が痛い(片頭痛など)
このような場合、保健室の先生や担任の先生と連携しながら、必要があれば医療機関への受診を勧めたり、家族と相談の上で支援につなげていきます。
身体的な疾患の影に、心の問題が潜んでいることも多く、学校という「日常の場」から異変に気付くことが、早期介入につながります。
保護者・教職員との連携も重要
学校医としての活動の中では、「子どもと接する時間が長い」保護者や教職員の皆さまと信頼関係を築くことが欠かせません。
定期的に開催される「学校保健委員会」では、年間の健康課題や感染症対応、子どもたちの生活リズムの実態などを共有し、改善策を話し合います。
例えば、
- スマートフォンやゲームによる夜更かしが睡眠不足を招いている
- 食事の偏りから貧血傾向が見られる
- 朝食を食べない子が増えている
といった実態が明らかになれば、保健だよりなどでの啓発や、家庭との協力体制をつくるための対応を行います。
地域に根ざした医療の一環として
学校医の仕事は「病気の治療」ではありませんが、「病気になる前にできること」を地域と一緒に考える非常に重要な役割です。
当院では、地域住民の皆さまの健康寿命を延ばすことを目指し、日々の診療に加えて学校医・産業医・予防接種・健康相談などにも力を入れています。
「子どもたちの未来のために」「家庭では気づけなかった異変に気づくために」「地域全体の健康リテラシーを高めるために」
今後も学校との連携を大切にしながら、地域の健康づくりに貢献してまいります。
まとめ
- 学校医は、子どもたちの健康を守る大切な存在です。
- 当院では、検診・感染症対応・心身の悩み相談を中心に、地域の小中学校と連携しています。
- 保護者や教職員との情報共有・啓発活動にも積極的に取り組んでいます。
- 早期発見・早期対応が、子どもたちの健やかな成長につながります。
学校からのお問い合わせや、学校医・健康相談に関するご相談があれば承っております。