「何度もダイエットに挑戦したけど、いつも三日坊主…」
「運動も食事制限も頑張っているのに、なかなか痩せない」
「どうせまたリバウンドするし…」
そんなふうに感じている方へ。
実は、ダイエットが「続かない」「成功しない」理由には、明確な医学的背景と生活習慣上の問題があります。逆にいえば、それを理解すれば、現実的かつ継続可能な減量が可能です。
今回は札幌市西区のグッドライフクリニック西町南より、医学的観点から見た「現実的なダイエット方法」について、簡単にわかりやすくお伝えします。
目次
なぜダイエットは続かないのか?
無理な食事制限が長続きしない
極端にカロリーを減らすダイエット、炭水化物を完全に抜く「糖質制限ダイエット」などは、短期的には体重が落ちますが、体が「飢餓状態」と判断し、基礎代謝が低下します。また、長期的にはリバウンドの原因となります。
成果が見えにくい
「頑張ってるのに全然体重が減らない…」という方、多いのではないでしょうか。体重は日々変動し、特に最初の数週間は水分や便の影響で結果が出にくいことがあります。ここでモチベーションが切れてしまうことが多く、リバウンドの原因となります。
精神的ストレスが溜まる
食べたいものを我慢すること自体がストレスになり、暴食の引き金になることも。さらにストレスホルモンであるコルチゾールの影響で脂肪が蓄積しやすくなるという悪循環に陥ります。
医師が推奨する「現実的な減量法」とは?
体重よりも「生活習慣の見直し」がカギ
体重という「数字」にとらわれるのではなく、生活の中での習慣に目を向けることが重要です。毎日体重を測るだけでなく、
- 夕食の時間を早める
- 間食の頻度を減らす
- 運動を日常の中に取り入れる
- 朝ごはんを食べる
- 睡眠時間を6時間以上確保する
- 起きる時間と寝る時間を一定にする
といった行動変容が、持続可能なダイエットにつながります。
1ヶ月で何キロ痩せるのが「安全」なのか?
急激な減量は体に大きな負担をかけます。医学的には1ヶ月に体重の3%以内の減量が理想とされています(例:60kgの人なら1.8kgまで)。これを超える減量は筋肉量の減少や代謝の低下を引き起こすリスクがあります。
「食べて痩せる」がキーワード
食事制限よりも、「質の高い食事をしっかり摂る」ことが重要です。
◯おすすめ食材
- たんぱく質(鶏むね肉、豆腐、納豆、魚、卵など):筋肉量を保ち、基礎代謝の維持に。
- 食物繊維(野菜、海藻、きのこ):満腹感を得やすく、腸内環境を整える。
- 良質な脂質(オリーブオイル、ナッツ類、アボカド):満足感が高く、ストレス食いの予防にも。
◯控えたいもの
- 清涼飲料水、スナック菓子、加工食品、アルコール(特にビール)
運動=筋トレ?ウォーキング?結局なにがいい?
まずは「日常生活の運動量アップ」から
ダイエットに特別な運動は必要ありません。階段を使う、1駅手前で降りて歩くなど、日常生活の中に「ちょっとした運動」を増やすことが一番の近道です。
継続できる「楽しい運動」を選ぶ
義務的に始めた運動は長続きしません。自分が楽しいと思える運動(例:ダンス、散歩、YouTubeの運動動画)を見つけることが大切です。
筋肉は「基礎代謝の味方」
筋肉が増えると、消費エネルギーが増えます。週2~3回、軽めの筋トレ(スクワット、プランク、もも上げ運動など)を継続するだけでも、体は確実に変化していきます。
よく受ける質問Q&A
Q1:ダイエットの薬は使っていいの?
A:BMIが高く、生活習慣病のリスクがある方に対しては、医師の指導のもとで内服治療を行うこともあります。しかし薬だけに頼るのではなく、生活改善と併用することが前提です。
Q2:断食やファスティングは効果ある?
A:短期的に体重が減る可能性はありますが、筋肉が減少しやすく、リバウンドの可能性が非常に高いです。長期的にはおすすめできません。
Q3:どうしても甘いものが食べたくなったら?
A:我慢しすぎると逆に暴食につながるので、「時間を決めて」「少量にする」工夫をしましょう。例えば、おやつは午後3時に1個まで、などのルールを設けると効果的です。
病院で相談すべきタイミングは?
「健康診断で体重が増えていた」「血圧や血糖値が高くなってきた」「自分ひとりでやってもうまくいかない」といった場合は、ぜひ一度医療機関にご相談ください。
当院では、栄養指導や運動アドバイス、必要に応じた内服治療まで、一人ひとりに合ったオーダーメイドの減量支援を行っております。まずは現在の生活を見直すことから始めましょう。
まとめ:ダイエットは「人生の習慣作り」
短期間で痩せることが目的ではなく、「健康的な生活を長く続ける」ことが真の目標です。
ダイエットとは習慣作りであり、「完璧でなくていい」「続けられることが大事」です。
- 体重よりも習慣を変えること
- 食べないよりも「食べ方を変える」こと
- 頑張りすぎず「7割くらいの努力」で
この3つを意識しながら、無理なく取り組んでいきましょう。
ご自身の健康を守るために、「できることから少しずつ」。私たち医療スタッフも、皆さんの健康づくりを全力でサポートします!
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