「40歳過ぎてから健康診断でコレステロールが高いと言われた」
「ダイエットもしているのに、なぜか悪玉コレステロール(LDL)が下がらない」
このような悩みを抱えている方は少なくありません。特に女性の中高年層では、これまで正常だったコレステロール値が突然上昇するケースが多くみられます。今回は札幌市西区のグッドライフクリニック西町南より「女性に多いコレステロール上昇の原因」について解説し、更年期との関係や対応策についてもご紹介します。
目次
1. コレステロールとは?まずは基本を知る
コレステロールとは脂質の一種で、体の細胞膜やホルモンの材料となる重要な物質です。しかし、その中でも悪玉コレステロール(LDL)は動脈硬化を進行させる要因とされており、基準値を超えると「脂質異常症」と診断されます。
反対に、善玉コレステロール(HDL)は血管内の余分なコレステロールを肝臓に運ぶ役割があり、動脈硬化を防ぐ働きをしています。したがって、LDLが高く、HDLが低い状態はリスクが高く、特に心筋梗塞や脳梗塞の引き金になる可能性があります。
2. 女性にコレステロール上昇が多いのはなぜ?
更年期とエストロゲンの関係
女性は閉経前まで、女性ホルモンであるエストロゲンの影響でコレステロール値が安定しています。エストロゲンにはLDLを下げ、HDLを増やす作用があるため、若年~中年期の女性は男性よりも動脈硬化のリスクが低いといわれています。
しかし、更年期(おおよそ45~55歳)に入ると、エストロゲンの分泌が急激に減少します。これにより、悪玉コレステロールが上昇しやすくなり、善玉コレステロールは減少傾向になります。
年齢に伴う基礎代謝の低下
40代以降になると、基礎代謝が低下し脂肪がつきやすくなります。体脂肪が増えると、内臓脂肪から分泌される物質が脂質代謝に悪影響を及ぼすため、コレステロール値が高くなる傾向にあります。
ホルモンバランスと生活習慣の変化
更年期はホルモンバランスの崩れだけでなく、子育てや職場環境の変化、睡眠障害なども重なる時期です。こうしたストレスや生活習慣の変化も、コレステロールの変動に大きく関係しています。
3. コレステロールが高くなると何が問題なのか
コレステロールが高くなると、血管の内側に脂質がたまり「動脈硬化」が進行します。動脈硬化とは、血管の壁が厚く硬くなり、血流が悪化する状態です。これが進行すると以下のような病気のリスクが高まります。
- 心筋梗塞:心臓の血管が詰まってしまう疾患
- 脳梗塞:脳の血管が詰まり、言語障害や麻痺などの後遺症を残すことがある
- 閉塞性動脈硬化症:足の血流が悪くなり、歩行困難になることもある
これらの疾患は生活の質を著しく低下させることがあり、早期発見・早期対応が重要です。
4. 更年期にできるコレステロール対策とは?
食事の見直し
悪玉コレステロールを下げるためには、以下の食材を意識して摂ることが有効です。
- 青魚(サバ・イワシなど):DHA・EPAが豊富
- 大豆製品(豆腐・納豆・豆乳):植物性たんぱく質がLDLを下げる効果
- ナッツ類(アーモンド・クルミなど):不飽和脂肪酸がLDLを抑制
- オートミール・玄米:食物繊維がコレステロール吸収を抑制
- 緑黄色野菜:抗酸化成分で血管の老化を防止
また、揚げ物やバター、生クリームなどの飽和脂肪酸は控えるようにしましょう。
適度な運動
週に150分程度の有酸素運動(ウォーキング・自転車・水泳など)が推奨されています。更年期の方は、急な運動ではなく、無理のないペースで続けられる運動がよいでしょう。
禁煙と節酒
喫煙はHDLを減らし、LDLを増やすことが分かっています。また、過度の飲酒も脂質異常症を悪化させる要因となるため注意が必要です。
5. 薬物療法が必要な場合も
コレステロール値が高値を示し続ける場合や、生活習慣の改善のみではコントロールが難しい場合には、医師による薬物療法が検討されます。
一般的にはスタチン系と呼ばれるお薬が使われることが多く、副作用を最小限にしながらLDL値を下げる効果が期待できます。薬は一度始めるとやめられないと思われがちですが、生活習慣の改善に成功すれば中止することも可能です。
ただし、自己判断での服薬中断は危険ですので、必ず医師と相談しながら対応してください。
6. 医療機関へ相談しましょう!
健康診断で「LDLが高い」「脂質異常症の疑いがある」と言われた方は、まずは内科の医療機関を受診しましょう。どのクリニックに行けばよいかわからない場合は、次のようなポイントを参考にしてください。
- 自宅や職場から通いやすい距離にある
- 継続的な通院がしやすい(1か月に1回程度)
- 定期的に情報発信をしているクリニック
当院(グッドライフクリニック西町南)でも、生活習慣病や更年期に関連したコレステロール管理のご相談を受け付けています。食事・運動療法の提案から、必要に応じた血液検査や治療まで、一人ひとりに合わせた対応を行っております。
まとめ
更年期を迎えた女性は、ホルモンの影響でコレステロールが上昇しやすくなります。しかし、正しい知識をもって食事・運動・生活習慣を見直せば、健康的な状態を維持することは可能です。
本日お伝えしたかったポイントは以下の3つです。
- 更年期にコレステロールが上がるのは自然な変化
- 食事や運動でコントロールできる部分は多い
- 必要な場合は早めに医療機関に相談しよう
院長紹介
医療法人グッドライフグループ/グッドライフクリニック西町南
理事長/院長 野呂昇平(のろしょうへい)
旭川医科大学卒業
- 日本救急医学会 救急科専門医
- 日本産業衛生学会 産業衛生専攻医
- 日本脳神経外科学会 専門医
- 日本脳神経血管内治療学会 専門医
- 日本脳卒中学会 専門医
- 日本医師会認定健康スポーツ医
- 日本医師会認定産業医
- 健康運動指導士
- JATEC インストラクター
- ICLS認定インストラクター

ご挨拶
グッドライフクリニック西町南の野呂昇平と申します。
脳神経外科医として多くの手術症例や研究を経て、救急科専門医として札幌孝仁会記念病院(旧北海道大野記念病院)で西区や手稲区を中心に救急症例を診てきました。
2021年8月に現在の西町南に生活習慣病や在宅医療を中心に行う「グッドライフクリニック西町南」を開業。
2024年4月より医療法人グッドライフグループを設立。同時にクリニックの拡張工事を行い、生活習慣病や肥満外来以外にも新たに一般内科や通所リハビリテーション機能を備えたクリニックとして体制を整えました。
当院の特徴
① 幅広い疾患への対応と札幌市でも少ない生活習慣病に特化した外来
外科医、救急医としての専門性を基盤にし、生活習慣病や緊急疾患に対する診療を数多く行ってきました。メディカルフィットネスを併設しており、運動と食事を中心に丁寧な外来診療を心掛けております。
電話かオンラインでの予約制のため、受付~会計まで30分以内を目標にスタッフ一同努力しております。
② 充実した在宅医療、自慢のスタッフ
当院では訪問診療だけではなく、訪問看護、訪問リハビリテーションを行っており、通院が困難な患者様に対して医療保険と介護保険を利用したサービスを提供しております。私自身も救急医として、通常の在宅医が困難な処置や急変時の対応を得意としております。
当院の在宅医療の最大の特徴は訪問リハビリテーションです。「脳卒中」「運動器」「心血管」を専門とする多くの理学療法士が所属しており、スタッフの自己研鑽によりほとんどが健康運動指導士や公認パーソナルトレーナーなどの資格を有しております。
③ 積極的な予防医学の実施
当院では一般的な健診はもちろんのこと、該当する方には、医師、保健師、管理栄養士による特定保健指導を行います。積極的支援の対象の方は、併設するメディカルフィットネスを利用し、運動食事プログラムを行います。
また産業医の活動の一環として、企業で生活習慣病を指摘された方の診察や保健指導、集団予防接種を積極的に行っております。
健康教育の普及のために地区センターへの講演会、健康運動教室も定期的に開催しております。
外来紹介
- 生活習慣病外来
- 肥満外来
- 小児肥満外来
- 睡眠時無呼吸外来
- 禁煙外来
- 頭痛外来
- アレルギー外来
- 各種ワクチン接種

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生活習慣病のこと、お気軽にご相談ください。






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