「子どもがよく『足が痛い』と言うけど、成長痛なのかな?」
「運動会や体育の後、膝を痛がっているけど病院に行った方がいいの?」
お子さんが「足が痛い」「ひざが痛い」と訴えることはありませんか?成長期にある子どもには、骨や筋肉、関節に関わる様々な問題が起こり得ます。特に最近では、運動器に関する健康状態を把握するため、小学校や中学校で『運動器検診』が導入されています。
今回は、札幌市西区のグッドライフクリニック西町南より「子どもの足の痛みと運動器検診の重要性」についてお伝えいたします。ぜひ最後までご覧いただき、健やかな成長をサポートする一助になれば幸いです。
目次
「運動器」とは何かご存じですか?
「運動器」とは、骨・筋肉・関節・神経など、人が体を動かすために必要な組織の総称です。これらが正常に働くことで、立つ・歩く・走る・座るといった基本的な動作が可能になります。
成長期の子どもにとって、運動器はまだ発達途上にあり、とても繊細です。スポーツや遊び、日常生活のなかで運動器に負荷がかかると、痛みや変形、機能障害の原因となることもあります。
子どもの足の痛みの原因とは?
子どもが訴える足や膝、かかとの痛みの背景には、以下のような原因が考えられます。
1. 成長痛(せいちょうつう)
成長期(特に4〜12歳)に多く見られます。特に夕方から夜間にかけて、「ふとももが痛い」「ひざが痛い」と訴えることが多いのが特徴です。成長痛は一過性で、朝になると痛みが軽減している場合が多いです。
2. オスグッド・シュラッター病
小学校高学年から中学生の男子に多い、膝の骨が出っ張って痛む疾患です。サッカー、バスケットボール、野球などのスポーツをしている子どもに多く、太ももの筋肉が硬くなって膝の下の骨(脛骨)を引っ張ることで炎症が起きます。
3. セーバー病(踵骨骨端症)
かかとの骨の成長が活発な時期(小学生男子に多い)に、運動やジャンプなどの繰り返し動作によりかかとが痛くなる病気です。運動後に痛みを訴え、裸足で歩くのを嫌がることもあります。
4. 外反足・扁平足・側弯症
生まれつき、または成長過程で足の形や背骨のバランスに問題が起こる場合があります。痛みを訴えるだけでなく、歩き方が不自然になることも。見た目では気づきにくい場合も多く、注意が必要です。
「運動器検診」って何をするの?
運動器検診は、2016年度から全国の学校で実施が始まりました。目的は「運動器の機能不全を早期に発見し、将来にわたる障害を予防すること」です。
検診では、以下のような項目をチェックします。
- 肩や腕をまっすぐ上げられるか
- 前屈して床に手が届くか
- 片脚立ちができるか
- 歩き方に異常がないか
- 背骨の歪み(側弯)がないか
- 関節の可動域に制限がないか
この検診で異常が見つかった場合は、整形外科などの専門機関への受診が勧められます。早期に対応することで、進行や慢性化のリスクを軽減できるとされています。
早期発見・早期治療が重要!
大人と違って、子どもの骨や筋肉は柔らかく変化しやすいという特徴があります。そのため、痛みや機能不全を放っておくと、以下のような問題が生じる可能性があります。
- 将来的な骨格の変形(側弯症・X脚・O脚)
- スポーツ活動の制限
- 慢性的な腰痛や膝痛への移行
- 自信の喪失や不登校のきっかけになる
「どうせ治るだろう」「我慢すれば良くなるだろう」と様子を見ているうちに悪化することもあります。お子さんが『痛い』と訴えたら、それは身体からのサインかもしれません。
ご家庭でできるチェックポイント
お子さんの体調や動作を観察して、気になる様子がないか以下のポイントを確認してみてください。
✅ よく転ぶ、ふらつく
✅ 正座を嫌がる
✅ 靴の減り方が左右で異なる
✅ 体育や部活を休みたがる
✅ 朝起きた時に足を引きずる
✅ 膝やかかとをさわって痛がる
これらのうち一つでも当てはまる場合は、早めに医療機関へ相談することをおすすめします。
当院で行っていること
グッドライフクリニック西町南では、整形外科的な視点をもって、子どもの運動器に関するお悩みに対応しております。
- 骨や関節の状態確認(レントゲン撮影など)
- 成長過程に応じたアドバイス
- スポーツ障害に対するリハビリや生活指導
- 必要に応じた専門機関への紹介
運動器に関する痛みや不安がある方は、ぜひ一度ご相談ください。お子さんの健やかな成長を医療の面からサポートしてまいります。
まとめ
✅ 子どもの「足が痛い」は放置しない
✅ 運動器検診は早期発見・予防のカギ
✅ 成長期だからこそ専門的な対応が重要
✅ 親の「気づき」と「受診行動」が将来を守る
「ちょっと様子を見ようかな」と思っている今が、実は一番大事なタイミングかもしれません。子どもの体は日々成長しています。今ある痛みや違和感が、将来の不調につながらないためにも早期発見・早期対応を心がけましょう。