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肥満症

成長曲線を活用しよう!肥満の見逃し防止に有効なツール

「うちの子、ぽっちゃりしてきたけど成長の証かな…?」

「同級生と比べてちょっと大きい気がするけど、心配するほどではないよね?」

こうした保護者の声は、日々の診療のなかでもよく耳にします。子どもの健康を見守るうえで、身長や体重の変化はとても重要なサインです。しかし、単に「大きくなった」「痩せてきた」といった印象だけで判断してしまうと、大切な異常のサインを見逃すおそれがあります。

今回は札幌市西区のグッドライフクリニック西町南より、「成長曲線を活用することの大切さと、子どもの肥満の早期発見・予防」をテーマにお届けいたします。

成長曲線とは?

成長曲線とは、年齢ごとに身長や体重がどのくらいあるのが一般的なのかをグラフで示したものです。日本では「母子健康手帳」や学校健診で配られる用紙、また医療機関で使用されている成長曲線があり、子どもたちの発育状態を長期的に観察するのに役立ちます。

この成長曲線の最大のメリットは、「今の状態が同年代の子どもと比べてどうなのか」を客観的に見ることができる点です。

例えば、体重が常に上位5%の範囲に入っている子どもは、将来肥満になりやすいといった指標にもなりますし、逆に身長の伸びが下位3%未満で推移している場合は、体の発育のサインに早く気付くための目安になります。

なぜ肥満の見逃しが起こるのか?

子どもの肥満は、徐々に進行するために「気がついたら…」というケースが少なくなく、成長とともに体が大きくなる時期こそ気づきにくいものです。とくに乳幼児期から学童期にかけては、成長によって身体が大きくなるため、「少しぽっちゃりしているけど、元気だから大丈夫」と見過ごされがちです。

しかし、最近の研究では、小児期の肥満は将来的に生活習慣病のリスクが高まる傾向があるとされています。

こんなサインは要注意!

  • 成長曲線で体重の増加が急激に上昇している
  • 身長に比べて体重が著しく多い
  • ウエスト周囲が太くなってきた
  • 運動を嫌がる、息切れを訴える
  • 健診で「肥満傾向」と言われたが特に対処していない

これらのサインが見られる場合は、成長曲線を確認し、必要に応じて小児科医や専門機関に相談することが重要です。

肥満は「体重」だけでは判断できない

身長が高ければ、ある程度体重があっても「大柄な子」として受け取られがちですが、実際には身長に対する体重のバランス(BMIや肥満度)が重要です。

文部科学省や厚生労働省の資料でも、小児の肥満に対しては年齢ごとに基準となる「肥満度」を設けており、それをもとに生活指導や医療的対応が検討されます。

そのため、定期的に成長曲線を活用しながら「体重が身長に対してどのくらいの割合か」を観察することが、早期の異常発見には欠かせません。

成長曲線を家庭で活用するには?

成長曲線は、家庭でも簡単に記録・活用できます。以下の方法を試してみましょう。

① 定期的に身長・体重を記録

最低でも半年に一度、小学校低学年までは3か月ごとの記録が理想です。市販の成長曲線グラフやアプリも活用できます。

② 推移を見ることが重要

1回の数値だけで判断するのではなく、「どのようなペースで伸びているか」に注目します。緩やかに上昇しているなら問題ありませんが、急激に増加・減少している場合は注意が必要です。

③ グラフの「曲がり方」に注目

体重だけが急上昇している、または身長の伸びが急に鈍くなったなど、カーブの変化が見られるときは、成長や健康に異常がないかをチェックしましょう。

肥満予防のために家庭でできること

子どもの肥満予防は、特別なことをする必要はありません。大切なのは、「日々の生活習慣を整えること」です。

食生活の見直し

  • 食べすぎに注意(特に夜遅くの間食)
  • 野菜、果物、魚、穀物を中心にバランスの良い食事
  • 甘いジュースや菓子パン、スナック菓子は控えめに

運動習慣の定着

  • 外遊びや散歩など体を動かす時間を増やす
  • 家族での運動や遊びも有効(例:キャッチボール、公園でのランニング)
  • テレビやゲームの時間を1日1時間以内に

睡眠と生活リズム

  • 就寝時間が遅い子は肥満傾向にあるという研究も
  • 朝食をきちんと食べ、規則正しい生活を

医療機関に相談するタイミングは?

  • 成長曲線で肥満傾向が継続している
  • 家族に生活習慣病の人がいる
  • 健診で「肥満度が高い」と指摘された
  • 食事や運動に気を付けていても改善が見られない

こうした場合は、医療機関での評価や栄養指導が有効です。健康康診断や成長曲線を見て気になる点など、気になる点がありましたら医療機関へご相談ください。

最後に

肥満は見た目だけでは判断できず、成長曲線という「見える化ツール」を使うことで、早期発見・早期対応が可能になります。その子らしさを大切にしながら、健康を見守る視点が大切です。

お子さんの健やかな成長のために、成長曲線を活用してみませんか?

「ちょっと気になるな」と思ったら、それが最初の一歩です。家庭でも、医療機関でも、「気づくこと」がすべての始まりです。

今後もグッドライフクリニック西町南では、地域の皆さまの健康を守る情報を発信していきます。

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