「うちの子、少し太り気味かもしれない…」
「健康診断で『肥満傾向』と言われたけど、何をしたらいいのか分からない」
「学校の体育の時間を嫌がるようになった」
こうした悩みをお持ちの保護者の方も多いのではないでしょうか。
近年、子どもの肥満は全国的に増加傾向にあります。これは外見上の問題だけでなく、将来、生活習慣病のリスクを高くなることなど、健康面にも大きな影響を及ぼす可能性がある重要なテーマです。
今回は札幌市西区のグッドライフクリニック西町南より、「学校と家庭の連携で変わる!肥満傾向児へのサポート法」について、保護者の皆さんに知っていただきたい内容をまとめてご紹介します。
目次
肥満とは?「ちょっと太め」とは違う
子どもの「肥満」とは、単に見た目がふっくらしていることではなく、医学的には「身長に対して体重が過剰である状態」を意味します。文部科学省の基準では、「肥満度(%)」が20%以上の子どもを「肥満傾向児」として扱います。
- 肥満度の計算方法:
肥満度(%)=(実際の体重-標準体重)÷標準体重 × 100
たとえば、標準体重が30kgの小学生が36kgある場合、肥満度は20%となり、肥満傾向児と判定されます。
どうして問題になるのか?
・将来の糖尿病や高血圧など、生活習慣病のリスクが高まる
・関節への負担から運動嫌いになり、さらに運動不足に
・周囲からの見た目によるストレスや、いじめの温床になることも
増加する小児肥満、その背景とは?
肥満傾向児が増えている原因として、以下のような生活習慣の変化が挙げられます。
(1)運動不足
コロナ禍をきっかけに、外遊びの時間が激減しました。体育以外で身体を動かす機会が少なくなり、運動不足が深刻です。
(2)食生活の乱れ
コンビニ食・ファストフード・甘い飲料などの摂取が日常的になっていませんか?忙しい毎日でも、栄養バランスに注意することが大切です。
(3)夜更かし・睡眠不足
夜遅くまでスマートフォンを見たり、ゲームをすることで、生活リズムが乱れているお子さんも少なくありません。これによりホルモンバランスが崩れ、肥満が進行することが分かっています。
家庭でできること:まずは「見守る・気づく・褒める」
(1)生活習慣の見直しは家族全体で
子ども一人に「ダイエットしなさい」と言っても効果は続きません。それどころか、心理的な負担となって逆効果になることも。
家族全体で「夜は野菜多めの食事にしよう」「寝る前のスマホはやめよう」など、小さなルールから取り組むことが大切です。
(2)「体重」より「生活内容」に注目する
体重や見た目を責めるのではなく、「今日はたくさん歩いたね」「おやつの量、減らせたね」など、“行動”を褒めてあげましょう。日々の行動の変化に目を向けることが大切です。
(3)小さな成功体験を積み重ねる
例えば:
- 朝ごはんを毎日食べる
- 階段を使う回数を増やす
- スポーツクラブではなくても、親子で10分散歩する
これらはすべて、肥満予防につながる立派な取り組みです。
学校と連携して支えるには
家庭だけで抱え込まず、学校との連携も大切なポイントです。
(1)保健の先生や担任の先生と相談
学校健診で肥満傾向と判定された場合、家庭にお知らせが届くことがあります。「一時的なものだろう」と軽く考えず、一度学校の先生に相談してみてください。
- 学校での活動量はどうか
- 給食の食べ残しはないか
- 体育への参加状況 など
学校での様子を知ることで、家庭でのサポートの方向性がより明確になります。
(2)栄養士との連携がカギ
地域によっては、学校に栄養教諭や栄養士が配置されていることもあります。給食の内容や食育指導と連携して、家庭での食生活にも良いヒントが得られるかもしれません。
医療機関への相談も視野に
「体重が増え続けている」「血圧やコレステロールが高いと言われた」などの兆候がある場合、医療機関での相談も検討しましょう。
当院では、小児の生活習慣病予防に関するご相談をお受けしております。初期段階でのサポートが将来の健康管理に役立ちます。
医療機関での支援内容:
- 血液検査、血圧測定などの健康チェック
- 栄養指導
- 運動のアドバイス
- 必要に応じて専門機関の紹介
子どもたちの未来を守るために
肥満傾向児への支援は、体重を減らすことが目的ではなく、「健康的な生活を身につける」ことが最も重要です。体重の増減に一喜一憂するのではなく、その子が元気で、自分らしく過ごせる日々を支えることが大切です。
そのためには、家庭だけで抱え込まず、学校や医療機関と協力し、社会全体で子どもたちを支えていく必要があります。
最後に
私たちグッドライフクリニック西町南では、地域の皆さまの健康を支える情報発信を行っております。
お子さまの体重や健康に関する不安がある場合は、お気軽にご相談ください。
「早めの気づき」「小さな変化の積み重ね」が未来の健康につながります。
今後も週2回のペースで、皆さまの健康に役立つ情報をお届けしてまいります。