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運動器疾患

体力テストの結果を活かす!運動嫌いな子どもへの声かけ

「うちの子、体力テストの結果がよくなかった…」
「運動が嫌いで、体育の時間も憂うつそう」
「どう声をかけたら、運動へのやる気を引き出せるのか分からない」

このようなお悩みをお持ちの保護者の方は多いのではないでしょうか?

体力テストは、子どもの健康状態や運動能力の現状を知る大切な指標のひとつです。しかし、結果だけに一喜一憂しても、根本的な解決にはつながりません。特に、運動が苦手・嫌いと感じている子どもに対しては、声のかけ方や関わり方がとても重要です。

今回は札幌市西区のグッドライフクリニック西町南より、「体力テストの結果を活かす!運動嫌いな子どもへの声かけ」というテーマでお届けします。

体力テストってなにを測っているの?

学校で行われる「新体力テスト」は、子どもの身体的な健康と体力を把握するために実施されています。具体的には、以下のような項目があります。

  • 握力(筋力)
  • 上体起こし(筋持久力)
  • 長座体前屈(柔軟性)
  • 反復横跳び(敏捷性)
  • 50m走(スピード)
  • 立ち幅跳び(跳躍力)
  • 20mシャトルラン(心肺持久力)
  • ソフトボール投げ(投力)

これらの結果をもとに、全国平均と比べて評価されるため、どうしても「できる/できない」に目がいきがちですが、大切なのは結果の「活かし方」です。

子どもの体力低下が気になる理由

近年、全国的に小中学生の体力低下が課題となっています。特に問題とされているのが「運動習慣の減少」です。通学は車、休み時間はスマートフォンやゲーム、外遊びよりも屋内での活動が中心――そんな生活が当たり前になりつつあります。

子ども時代の運動習慣は、その後の健康状態に直結するといわれています。運動不足は以下のような影響がでる可能性があります。

  • 肥満や生活習慣病のリスク増加(高血圧、脂質異常症など)
  • 骨や筋肉の発育不全
  • メンタルヘルスの不調(ストレス耐性の低下、集中力の欠如)

とはいえ、頭ごなしに「もっと運動しなさい!」と叱っても、逆効果になってしまうことも。運動が苦手な子どもには、それぞれに背景があるかもしれません。

なぜ運動が「嫌い」になるのか?

子どもが運動を嫌いになる主な要因は、

  1. 成功体験の欠如
     できなかった経験ばかりで、自信をなくしてしまう。
  2. 比較されるプレッシャー
     兄弟や友人、クラスメイトと比べられることがストレスになる。
  3. 運動以外のことが好き
     本を読むことや絵を描くことが好きな子もいます。無理に運動を押しつけると「自分を否定された」と感じてしまいます。
  4. 発達のペースの違い
     運動能力の発達には個人差が大きく、特に小学校高学年~中学生にかけて急激に伸びることもあります。

体力テストの結果をどう活かすか

体力テストの結果は、「どこが弱いのか」「どこが得意なのか」を知るヒントになります。

たとえば、

  • 柔軟性が低い → ストレッチを取り入れる
  • 持久力が弱い → ウォーキングやなわとびから始める
  • 敏捷性が低い → 遊びの中で方向転換を意識する鬼ごっこを取り入れる

子どもの得意・不得意を否定するのではなく、「これから少しずつ良くしていこうね」と伝えることが大切です。

運動が苦手な子への声かけのポイント

1. 「楽しい」を軸にする

「健康のためだから」「将来のためだから」といった理由よりも、「これやってみたら面白いかも」「遊び感覚でやってみよう」という声かけが効果的です。

たとえば、

  • 「今日は一緒に歩いてアイス買いに行こうか」
  • 「テレビ見ながらストレッチ対決しよう!」

運動を「楽しい体験」として記憶に残すことが、長続きの秘訣です。

2. 結果ではなくプロセスを褒める

「50m走でクラスで一番だったね」よりも、「最後まで走り切ったのすごいね」「一生懸命がんばってたね」と努力や姿勢を褒めてあげましょう。

3. できることからスタート

いきなり難しい運動や長時間の運動を課すと、子どもは「無理」と感じてしまいます。まずは1日5分、簡単な動きから始めるのがポイントです。

4. 親も一緒に楽しむ

子どもは親の姿をよく見ています。「パパも一緒にやってみるよ」「ママも実は運動苦手だったけど、少しずつ頑張ってるよ」と言うことで、自然と子どものモチベーションも高まります。

おすすめの家庭でできる運動

運動嫌いな子どもでも取り組みやすい、家庭でできる簡単な運動をご紹介します。

  • ラジオ体操:短時間で全身運動ができる優れたプログラム。
  • ダンス動画(YouTubeなど):好きな音楽に合わせて体を動かせば、運動という意識がなくなります。
  • ストレッチ:寝る前のリラックス習慣として取り入れる。
  • 縄跳び:短時間で心肺機能を鍛えられ、記録更新の楽しさも味わえます。

成長を見守る姿勢が一番のサポート

体力テストの数値が「悪い=ダメな子」ではありません。

  • 少しでも前回より良くなっていたら「成長」
  • 苦手意識が薄れてきたら「進歩」
  • 楽しんで取り組めたら「成功」

こうした視点でお子さんを見守っていくことで、自然と運動への抵抗感は減っていきます。

最後に ~子どもの「これから」を一緒に育てましょう~

運動能力や体力は、年齢とともに発達していきます。子ども時代に「身体を動かすって楽しい」「ちょっとずつ自分でも変われる」と感じることが、将来の健康につながります。

無理に運動させるのではなく、「気づいたら体を動かしていた」そんな日常をつくることが、私たち大人にできる最大の支援です。

ご家庭での声かけや関わり方について悩んでいる方は、ぜひ一度、医療機関や専門家にご相談ください。当院では生活習慣や成長に関するご相談も承っております。

今後も週2回のペースで、地域の皆さまの健康に役立つ情報を発信していきます。次回もぜひご覧ください!

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