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睡眠時無呼吸

CPAP治療って何?睡眠時無呼吸の基本的な治療法を解説!

はじめに

「夜中に何度も目が覚める」「いびきがうるさいと家族に言われる」「朝起きても疲れがとれない」
このような症状でお悩みではありませんか?

もしかすると、それは「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」のサインかもしれません。

今回は、札幌市西区のグッドライフクリニック西町南より
CPAP治療って何?睡眠時無呼吸の基本的な治療法を解説」をテーマにお届けします。

SASの基礎知識から、CPAPという治療法の内容、開始までの流れ、日常生活への影響などを丁寧にご紹介いたします。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?

SASとは

睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)は、眠っている間に呼吸が何度も止まる病気です。
代表的なタイプは閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)で、上気道が狭くなったり塞がれたりすることで呼吸が停止します。

主な症状

大きないびき

起床時の頭痛

日中の強い眠気

集中力の低下

夜間頻尿

高血圧や不整脈の悪化

呼吸が止まると血中の酸素濃度が下がり、身体は強いストレスを受けます。これが毎晩繰り返されることで、生活習慣病の悪化や事故リスクの増加につながります。

SASを放置するとどうなる?

睡眠時無呼吸症候群は見た目には「ただのいびき」に見えるため、放置されがちな病気です。
しかし、放っておくと下記のようなリスクが高まります。

高血圧、糖尿病、心不全の進行
心筋梗塞や脳卒中の発症リスク上昇
居眠り運転による事故(SAS患者の交通事故率は健常者の約7倍とも)

日本では推定300万人以上がSASに該当するとされていますが、実際に治療を受けている方はその一部にとどまっています。

CPAP治療とは?

CPAPの基本

CPAP(Continuous Positive Airway Pressure)療法は、睡眠中に鼻マスクから空気を送り込み、 上気道が閉塞しないよう空気圧で支える標準的な治療法です。睡眠の質を保ち、日中の眠気やいびきの改善が期待できます。

CPAPの仕組み

鼻に専用マスクを装着
CPAP装置から一定の空気圧が供給される
上気道が広がった状態を維持
呼吸停止やいびきが改善され、自然な睡眠を継続

CPAPを継続使用することで、翌朝の目覚めや日中のパフォーマンスが向上し、高血圧・糖尿病などの管理にも良い影響が期待できます。

CPAP治療の流れ

1

問診・簡易検査

症状や生活習慣を確認し、必要に応じて自宅で行う簡易睡眠検査を実施します。
機器を装着して一晩眠るだけの手軽な検査です。
(目安:3割負担で約3,000円

2

精密検査(ポリソムノグラフィー:PSG)

簡易検査で無呼吸の可能性が高い場合に実施。
脳波・心電図・筋電図・呼吸・酸素濃度などを測定し、重症度を評価します。
当院では自宅測定が可能で、3割負担で約11,000~12,000円(目安)です。

3

CPAPの導入

中等症以上(AHI20以上)と診断された場合、保険適用でCPAP治療を開始します。
機器設定やマスクのフィッティングは専門業者が自宅で対応。
以後は月1回の通院で使用状況・体調を確認します。

CPAP以外の治療法

1. 減量・生活習慣の改善(軽症~重症)

睡眠時無呼吸は上気道の閉塞により生じ、肥満が進行すると脂肪組織が上気道を圧迫します。
そのため肥満を解消しない限りSASの改善は期待できません

— 内容
  • 食事改善(脂質・糖質制限、夕食時間の見直し)
  • 運動療法(ウォーキングや軽い筋トレ)
  • 飲酒・喫煙の制限(特に就寝前の飲酒はリスク増大)
  • 睡眠習慣の見直し(仰向け寝を避けるなど)
— 対象
肥満が関与している方、軽度~重症のSASの方
— ポイント
体重を5~10%減らすだけでも無呼吸指数(AHI)は大幅に改善することがあります。

2. マウスピース(口腔内装置:OA療法)

— 内容
就寝時に下あごを前方に固定するマウスピースを装着し、気道の閉塞を防ぎます。
— 対象
軽症~中等症のSAS、CPAPにどうしても慣れない方
— ポイント
  • 歯科医院で作成(保険適用あり)
  • 歯が健康であることが条件
  • 顎関節症や強い歯ぎしりがある方には不向き

3. 外科手術(気道拡大手術)

— 主な術式
  • 口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP):のどの奥の余分な組織を切除
  • 舌の縮小手術、舌根前進術:舌が気道をふさいでいる場合に実施
  • 顎骨前進手術(上下顎前方移動術:MMA):顎を前方に移動させて気道を広げる
— 対象
解剖学的に気道の狭窄が顕著な方、他の治療法が無効な場合
— ポイント
成功率は術式や個人差により異なり、一定の回復期間が必要です。

4. 横向き寝(体位療法)

— 内容
仰向けに寝ると舌が喉に落ち込みやすく、気道が塞がれます。横向きで寝るだけでも無呼吸が改善するケースがあります。
— 対象
体位性SAS(仰向け時だけ無呼吸が悪化するタイプ)
— 方法/ポイント
  • 専用の体位保持ベルトやリュック、背中にテニスボールを入れたパジャマなどで仰向けを防ぐ
  • 軽症タイプに有効/習慣化できるかがカギ

5. 鼻づまりの治療(鼻腔通気性の改善)

— 内容
慢性的な鼻づまり(アレルギー性鼻炎・鼻中隔弯曲症など)があると、口呼吸が助長されSASが悪化することがあります。
— 対応策
  • アレルギー薬(抗ヒスタミン薬、点鼻薬)
  • 鼻洗浄や加湿
  • 鼻中隔の矯正手術
— ポイント
鼻呼吸ができることでCPAPやマウスピースの効果も上がります。

6. 高地訓練呼吸法(nasal expiratory positive airway pressure:nEPAP)

— 内容
鼻に貼る小型の呼吸弁(例:Provent®)を使用し、呼気時の抵抗で気道内圧を保ち、閉塞を防ぎます。
— 対象
軽症~中等症のSAS、CPAPを使いたくない方
— ポイント
  • 小型で携帯性に優れるが、効果はCPAPよりも限定的
  • 市販品のため、継続的な医療フォローは難しい

7. 神経刺激療法(植込み型デバイス:Inspireなど)

— 内容
首の下に小型の装置を埋め込み、就寝中に舌の動きを制御する神経(舌下神経)を刺激して、舌が喉に落ちるのを防ぎます。
— 対象
中等症以上でCPAPが使えない方(欧米では徐々に普及、日本では一部施設で試験的導入)
— ポイント
  • 外科手術が必要
  • 保険適用外のことが多い(2025年7月現在)

メリットとデメリット

治療法 適応例 メリット デメリット
CPAP 中等症~重症 効果が最も安定 装着が煩わしい
マウスピース 軽~中等症 比較的手軽 歯が健康である必要
減量・生活改善 すべての人 根本的な改善 継続が大変
外科手術 解剖学的狭窄がある 一部は完治も 侵襲的・リスクあり
体位療法 体位依存型 非侵襲的 効果は限定的
鼻づまり治療 鼻閉がある人 CPAP補助効果あり 単独での効果は少
nEPAP CPAP非適応者 携帯しやすい 軽症向け
神経刺激装置 特殊ケース 治療意欲のある人向け 高額・外科的処置

よくある質問

Q1. 装着して眠れるのか不安です…
初めは違和感を覚える方も多いですが、数日~数週間で慣れる方がほとんどです。
最近の機器は静音性や快適性に優れており、眠りを妨げにくくなっています。
Q2. 毎日使用しないといけませんか?
原則として、毎日使用することが望ましいです。
使用しない日は無呼吸が再発するため、効果が低下します。
Q3. 一度始めたら一生やめられないの?
生活習慣の改善や減量により、軽症化してCPAPが不要になることもあります。
特に肥満が関与している方では、減量により症状が軽くなる可能性が十分にあります。

日常生活への影響は?

CPAPは“治療器”というより、日常の睡眠を支えるサポートです。継続することで、次のような変化が期待できます。

日中の眠気が改善

居眠り・集中切れが減り、活動の質が上がる

集中力・作業効率の向上

仕事や運転・学習パフォーマンスの底上げに

起床時の不快感が軽減

頭痛・だるさが和らぎ、すっきり目覚めやすい

合併症コントロールに好影響

高血圧・糖尿病などの管理が安定しやすい

  • 睡眠の質が整い、生活全体のリズムが改善
  • 家族からのいびき指摘が減り、就寝環境のストレスが軽減

さらに、無呼吸を治療することで心筋梗塞・脳卒中・心不全など将来的な重篤疾患のリスク低減にもつながります。

気になる症状があれば、まずはご相談を

「最近いびきが大きい」「昼間の眠気が強い」――こうした症状がある方は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性があります。

当院では、簡易検査から精密検査、治療導入まで一貫してサポートしています。
気になる方は、まずはお気軽にご相談ください。

院長紹介

医療法人グッドライフグループ/グッドライフクリニック西町南
理事長/院長 野呂昇平(のろしょうへい)

旭川医科大学卒業

  • 日本救急医学会 救急科専門医
  • 日本産業衛生学会 産業衛生専攻医
  • 日本脳神経外科学会 専門医
  • 日本脳神経血管内治療学会 専門医
  • 日本脳卒中学会 専門医
  • 日本医師会認定健康スポーツ医
  • 日本医師会認定産業医
  • 健康運動指導士
  • JATEC インストラクター
  • ICLS認定インストラクター

ご挨拶

グッドライフクリニック西町南の野呂昇平と申します。
脳神経外科医として多くの手術症例や研究を経て、救急科専門医として札幌孝仁会記念病院(旧北海道大野記念病院)で西区や手稲区を中心に救急症例を診てきました。
2021年8月に現在の西町南に生活習慣病や在宅医療を中心に行う「グッドライフクリニック西町南」を開業。
2024年4月より医療法人グッドライフグループを設立。同時にクリニックの拡張工事を行い、生活習慣病や肥満外来以外にも新たに一般内科や通所リハビリテーション機能を備えたクリニックとして体制を整えました。

当院の特徴

① 幅広い疾患への対応と札幌市でも少ない生活習慣病に特化した外来

外科医、救急医としての専門性を基盤にし、生活習慣病や緊急疾患に対する診療を数多く行ってきました。メディカルフィットネスを併設しており、運動と食事を中心に丁寧な外来診療を心掛けております。
電話かオンラインでの予約制のため、受付~会計まで30分以内を目標にスタッフ一同努力しております。

② 充実した在宅医療、自慢のスタッフ

当院では訪問診療だけではなく、訪問看護、訪問リハビリテーションを行っており、通院が困難な患者様に対して医療保険と介護保険を利用したサービスを提供しております。私自身も救急医として、通常の在宅医が困難な処置や急変時の対応を得意としております。
当院の在宅医療の最大の特徴は訪問リハビリテーションです。「脳卒中」「運動器」「心血管」を専門とする多くの理学療法士が所属しており、スタッフの自己研鑽によりほとんどが健康運動指導士や公認パーソナルトレーナーなどの資格を有しております。

③ 積極的な予防医学の実施

当院では一般的な健診はもちろんのこと、該当する方には、医師、保健師、管理栄養士による特定保健指導を行います。積極的支援の対象の方は、併設するメディカルフィットネスを利用し、運動食事プログラムを行います。
また産業医の活動の一環として、企業で生活習慣病を指摘された方の診察や保健指導、集団予防接種を積極的に行っております。
健康教育の普及のために地区センターへの講演会、健康運動教室も定期的に開催しております。

外来紹介

  • 生活習慣病外来
  • 肥満外来
  • 小児肥満外来
  • 睡眠時無呼吸外来
  • 禁煙外来
  • 頭痛外来
  • アレルギー外来
  • 各種ワクチン接種

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