目次
1. LDLコレステロールとは?正常値と高LDLの基準を解説
LDLコレステロールの役割
LDL(低密度リポタンパク質)は、体内でコレステロールを運搬する役割を持っています。しかし、LDLが過剰になると動脈壁に蓄積し、血流を阻害する原因となります。そのため、LDLは「悪玉コレステロール」とも呼ばれます。一方で、HDL(高密度リポタンパク質)は余分なコレステロールを回収する働きを持ち、「善玉コレステロール」と呼ばれます。
LDLコレステロールの基準値
LDLコレステロールの一般的な基準値は以下の通りです。
LDLコレステロール値 | 判定基準 |
---|---|
100mg/dl未満 | 望ましい |
100~139mg/dl | 正常範囲(やや高め) |
140mg/dl以上 | 高LDLコレステロール血症 |
特に140mg/dl以上になると「脂質異常症」と診断され、動脈硬化の進行リスクが高まり、脳卒中や心筋梗塞の原因となる可能性が大きくなります。

2. LDLが140mg/dl以上だと危険?動脈硬化と脳卒中リスクの関係
LDLが高い状態が続くと、動脈の内壁にコレステロールが蓄積し、プラーク(脂肪の塊)が形成されます。プラークが大きくなると血管の内径が狭まり、血流が悪くなります。これが動脈硬化の始まりです。
動脈硬化が引き起こすリスク

脳卒中(脳梗塞)
→動脈硬化が進行すると脳の血管が詰まりやすくなり、脳卒中のリスクが高まります。
心筋梗塞
→LDLが原因で冠動脈が詰まると、心筋への血流が遮断され、心筋梗塞を発症する可能性があります。
閉塞性動脈硬化症
→下肢の血管が詰まり、足のしびれや壊死を引き起こす病気です。
しかし140mg/dlにすれば大丈夫!ではございません
動脈硬化性疾患の中でも高リスクに分類される「糖尿病、末梢動脈疾患、慢性腎臓病」の患者の場合、120mg/dl未満、合併症や喫煙している場合は100mg/dl未満が目標とされております。正常な人でも40歳以上の方でLDLが100mg/dlの方は少なく、普段の食生活、運動を適切に行えているか、若いころからの体形を維持できているかなど、日ごろの努力が重要です。

(上記、動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版より一部抜粋)
3. LDLを下げることで得られる健康メリットとは?
LDLを下げることで、以下の健康メリットが得られます。
① 脳卒中・心筋梗塞の予防
LDLを低下させることで、動脈硬化が進行しにくくなり、血管の健康が保たれます。その結果、脳卒中や心筋梗塞のリスクが低減します。
② 血圧の安定
LDLが減ることで血流がスムーズになり、血圧の安定にもつながります。高血圧は動脈硬化を加速させるため、LDLを下げることが血圧管理にも役立ちます。
③ 健康寿命の延伸
血管の健康を維持することで、将来的に健康寿命を延ばすことが期待できます。
4. 脳卒中専門医が推奨するLDLを下げる具体的な方法
LDLを下げるためには、生活習慣の改善が重要です。以下のポイントを実践しましょう。
① 食生活の改善
避けるべき食品
- 飽和脂肪酸を多く含む食品(バター、ラード、加工肉)
- トランス脂肪酸を含む食品(マーガリン、揚げ物)
積極的に摂取すべき食品
- 青魚(サバ、イワシ、サンマ):DHA・EPAが豊富
- オリーブオイルやナッツ類:不飽和脂肪酸が多い
- 食物繊維が豊富な野菜や豆類:コレステロールの吸収を抑える
② 適度な運動
- 有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、水泳)を週150分以上
- 筋力トレーニングを週2~3回
③ 生活習慣の改善
- 禁煙(タバコは血管を収縮させ、動脈硬化を悪化させる)
- 適正体重の維持(BMI25未満を目標にする)
- ストレス管理(ストレスが続くとコレステロール値が上昇する)
④ 医師の指導のもとでの治療
LDLが160mg/dl以上の方や動脈硬化のリスクが高い方は、医師の指導のもとでスタチン系薬剤などの治療を受けることも選択肢の一つです。
5. まとめ:LDLを正しく管理し、健康寿命を延ばそう!
LDLコレステロールが140mg/dl以上の場合、動脈硬化が進みやすくなり、脳卒中や心筋梗塞のリスクが高まります。しかし、適切な食生活や運動習慣を取り入れることで、LDLを下げ、血管の健康を保つことが可能です。
今日からできること
✅ 食生活を見直し、青魚や野菜を積極的に摂取
✅ 1日30分のウォーキングを習慣にする
✅ 禁煙やストレス管理に努める
✅ LDL値が高い場合は、早めに医師の診察を受ける
LDLを適切に管理し、将来の健康リスクを減らしましょう!
【当院について】
当院は患者さんの内科的治療はもちろんのこと、病気にならないようにする、処方だけに頼らない「予防医学」に注力したクリニックです。
併設したメディカルフィットネスジムと協力して、診察以外の時間も患者さん、利用者さんに付き添い、日常生活に溶け込んだ医療を提供します。
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【医師紹介】 野呂 昇平
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