はじめに

最近、呂律が回らないことがあったけど大丈夫?

一時的に手足が動きにくくなったが、すぐ治ったから放置していい?

脳梗塞になった人を見たけど、自分も将来脳梗塞になるのだろうか?
脳梗塞は、ある日突然発症し、命に関わるだけでなく、重い後遺症を残すことがある病気です。特に高血圧や糖尿病などの生活習慣病を抱えている方は、発症リスクが高く注意が必要です。
本記事では、脳梗塞の危険性と予防法について解説します。
脳梗塞とは
脳梗塞は、脳の血管が詰まることで血流が途絶え、脳の一部が酸素不足になりダメージを受ける病気です。
大きく分けると以下の3つのタイプがあります。
脳梗塞の種類

●アテローム血栓性脳梗塞
動脈硬化が進行し、血管が狭くなって詰まるタイプ。高血圧や脂質異常症が原因となることが多い。
●心原性脳塞栓症
心臓の中でできた血栓が脳へ流れて詰まるタイプ。心房細動などの不整脈が関係する。
●ラクナ梗塞
脳の細い血管が詰まるタイプ。高血圧との関連が強く、軽症でも認知症のリスクを高める。
「アテローム血栓性脳梗塞」と「ラクナ梗塞」は生活習慣病と密接な関係があります。逆に言うと生活習慣病にならないように、なっても適切な治療を行っていたらよほど高齢になるまで発症しない病気の一つです(心筋梗塞も同様です)。
「心原性脳塞栓症」については不整脈の中でも「心房細動」が原因で発症することが多いです。簡単なスクリーニングとして手首の親指寄りの血管を触ってみて、リズムが不規則に感じる場合は、不整脈の可能性が考えられます。不安を感じる場合は、医療機関に相談することも選択肢の一つです。
脳梗塞の初期症状
脳梗塞は、発症後できるだけ早く治療を受けることで後遺症を軽減できます。以下のような症状が出たらすぐに病院を受診してください。
・片側の手足や顔の麻痺・しびれ
・ろれつが回らない、言葉が出にくい
・視野の一部が欠ける、二重に見える
・ふらつきやめまい、歩きにくい
・突然の激しい頭痛

これらの症状が一時的に現れて消えることがありますが、それは「一過性脳虚血発作(TIA)」の可能性があります。これは本格的な脳梗塞の前兆であり、放置すると本格的な発作が起こるリスクが高くなります。
脳梗塞のリスクを高める要因
脳梗塞は生活習慣と密接に関係しています。以下のリスク要因を持つ方は、特に注意が必要です。

🔴 高血圧(最大のリスク要因。血圧が140/90mmHg以上の方は要注意)
🔴 糖尿病(血糖値が高いと動脈硬化が進みやすい)
🔴 脂質異常症(悪玉コレステロール(LDL)が高いと血管が詰まりやすい)
🔴 喫煙(タバコの成分が血管を傷つけ、血栓を作りやすくする)
🔴 過度な飲酒(アルコールは血圧を上昇させ、心房細動のリスクを高める)
🔴 運動不足(血流が悪くなり、動脈硬化が進行しやすくなる)
これらの要因を持つ方は、早めに生活習慣を見直すことが重要です。
脳梗塞を防ぐための生活習慣
脳梗塞のリスクを低減するために推奨される生活習慣をご紹介
血圧管理
減塩を意識し、適度な運動を心がける(塩分は1日6g以下が理想)
食生活の改善
青魚・ナッツ・野菜・大豆製品などをバランスよく摂取することが推奨されています
運動習慣
ウォーキングや軽い筋トレを週150分以上行う
禁煙・節酒
特にタバコは今すぐやめるべき
ストレス管理
睡眠をしっかり取り、リラックスできる時間を作る
脳梗塞の検査と治療
脳梗塞のリスクが高い方は、定期的な健康診断でリスクを把握することが大切です。
脳MRI・MRA検査
脳の血流状態や血管の詰まりを確認できる
頸動脈エコー
首の血管の動脈硬化の進行度を調べる
血液検査
LDLコレステロール、血糖値、血圧をチェック
治療法としては、血栓を溶かす「t-PA療法」や、カテーテルを使って血管を開く「血栓回収療法」などがあります。これらの治療は発症から時間との勝負であり、迅速な対応が求められます。

まとめ
脳梗塞は、突然発症し、命や生活に大きな影響を及ぼす可能性がある病気です。しかし、高血圧や生活習慣の改善を行うことで、リスクを大幅に減らすことができます。
✅ 初期症状を見逃さない!(ろれつが回らない・片側麻痺・めまいなど)
✅ 高血圧・糖尿病・脂質異常症がある人は特に注意!
✅ 冬場の血圧管理が重要!寒さによる血圧急上昇に注意
✅ 定期的な健康診断でリスクを把握し、予防に努める
もし気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診することが何よりも大切です。 生活習慣病に関する相談は、医療機関で対応している場合があります。脳梗塞のリスクについて気になる方は、お気軽にご相談ください。
【当院について】
当院は患者さんの内科的治療はもちろんのこと、病気にならないようにする、処方だけに頼らない「予防医学」に注力したクリニックです。
併設したメディカルフィットネスジムと協力して、診察以外の時間も患者さん、利用者さんに付き添い、日常生活に溶け込んだ医療を提供します。
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【医師紹介】 野呂 昇平
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