【中高年は要注意!】転倒すると何が起きる?
はじめに
「転んで頭を強く打ったけど病院に行った方がよいのだろうか」
「親は高齢だからできるだけ家の外に出さないようにしている」
北海道では毎年冬になると雪が積もります。夏に比べて屋外で転倒する方が非常に増え、高齢者になると骨折する方も多くなり医療機関は忙しくなる季節です。では冬になると外にでないで家で動かないでいるのがはたして良いのでしょうか。
今回は札幌市西区のグッドライフクリニック西町南より「中高年は要注意!転倒すると何が起きる?」をテーマにお届けしていきます。転倒するとどのようなことが起きるのかを簡単にまとめたのでぜひご覧ください!
冬になると骨折が急増
冬になると路上は滑りやすくなり、転倒リスクが急増します。高齢になるにつれて骨密度は低下し、転んだだけで、尻もちをついただけで骨折します。
- 大腿骨近位部骨折(いわゆる足の付け根)
- 脊椎圧迫骨折(特に腰椎)
- 上腕骨近位部骨折(腕の付け根)
- 橈骨遠位端骨折(手首)
この4つの骨折が多いです。
50~60歳の場合、転倒した際に反射的に手を地面につけることができるので、手首の骨折(頭骨遠位端骨折)が多い印象です。高齢になると反射的に手が付けないため、腰から転んでしまい、足の付け根(大腿骨近位部骨折)や腰(腰椎圧迫骨折)の激痛を起こし歩けなくなり、救急車を呼ぶこととなります。特に①と②の骨折は歩行に多く影響を与えるため、いままで癌にならず、健康に生きてきたと思っていても、いきなり介護が必要になることが多いです。
骨折だけではない?!ぶつけた部位によっては命にかかわることも
皆さんは転んだ際に頭をぶつけたことはございますか。40歳以下の方は咄嗟に受け身をとることができるため、ほとんどないと思います。しかし、20歳をピークにバランス感覚は衰えていき、筋力も低下することで50歳を超えてくると頭部外傷の患者は増えてきます。頭をぶつけた際に医療機関を受診した方が良いケースをいくつか紹介します
出血が止まらない
気が動転し救急車を呼ぶ人も非常に多いです。まずは深呼吸をし、出血しているところを5分以上しっかり押さえましょう!基本的には皮膚の下にある血管が破れて出血しています。皮膚の下には頭蓋骨があるのでしっかりガーゼやティッシュを重ねて圧迫すればほとんどの出血は止まります。しかし「15分以上圧迫しても止まらない」「皮膚の下まで傷がある」場合は縫合する必要があるため、早めに医療機関を受診してください。
いつもと様子が違う
頭を打った後、
- 記憶が一時的にない
- ぼーっとしている
- 何度も吐いている
- 片方の手足の動きが悪い、呂律が悪い
などの症状が出たら脳の異常が疑われます。
一見すると傷一つない状態でも、頭蓋骨に守られている脳は激しく揺れて脳震盪やの出血を起こします。また脳が出血していなくても脳を包んでいる硬膜から出血することで脳が圧迫され命にかかわることがあります。早めに医療機関へ相談し、必要なら救急車を呼んで対応しましょう!
冬は家の中で閉じこもっているのが最善なのか
北海道では高齢の方は冬になると、除雪以外は外にでないようになります。転倒のリスクや寒さの問題、車の運転など多岐にわたります。しかし数か月の間、運動不足になるため、年々筋力は衰えていき、自分自身で転びやすい身体を作ることになります。実際に北海道の健康寿命は全国でも最低レベルであり、冬の運動不足が大きな要因です。家の中で運動をする、それができないなら一度自治体に相談してみませんか。近い将来、介護が必要になることが目に見えており、介護保険を用いたサービスを受けることができます。家の外にでるのが怖いなら、デイサービスでの運動や訪問リハビリテーションなども利用することができます。
以上、「中高年は要注意!転倒すると何が起きる?」をテーマにまとめさせていただきました。今後も週1-2回のペースで情報発信します。
【当院について】
当院は患者さんの内科的治療はもちろんのこと、病気にならないようにする、処方だけに頼らない「予防医学」に注力したクリニックです。
併設したメディカルフィットネスジムと協力して、診察以外の時間も患者さん、利用者さんに付き添い、日常生活に溶け込んだ医療を提供します。
〜外来紹介〜
・生活習慣病外来
・肥満外来
・睡眠時無呼吸外来
・禁煙外来
・頭痛外来
・アレルギー外来
・各種ワクチン接種
【医師紹介】 野呂 昇平
【各種資格】
・救急科専門医
・産業衛生専攻医
・脳神経外科専門医
・脳卒中専門医
・脳血管内治療専門医
・日本医師会認定健康スポーツ医
・産業医
・健康運動指導士
・公認パーソナルトレーナー(NSCA-CSCS/CPT)
〜予約について〜
当クリニックは完全予約制です。下記ボタンより予約可能となっております。
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