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糖尿病

糖尿病とケトアシドーシス 〜早期対応が重要、危険な状態とは~

「最近やたら喉が渇くし、水を飲む量が増えてきた」
「急に体重が減ってきたけど、ダイエットしているわけではない」
「吐き気やお腹の痛みが続いている」こうした症状がある場合、糖尿病が急激に悪化し、「糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)」という危険な状態に陥っている可能性があります。
今回は札幌市西区のグッドライフクリニック西町南より、糖尿病とその合併症であるケトアシドーシスについて、基本的な知識と予防のポイントをまとめました。

糖尿病とは?

糖尿病は、血液中のブドウ糖(血糖値)が慢性的に高くなる病気です。
原因は大きく分けて2つあります。

1型糖尿病

インスリンを分泌する膵臓のβ細胞が自己免疫反応により破壊され、インスリンがほとんど出なくなるタイプ。若年発症が多いですが、大人でも起こります。

2型糖尿病

インスリンの効きが悪くなったり、分泌が不足することで起こります。生活習慣病の一つで、中高年に多く見られます。

糖尿病は初期症状がほとんどなく、「健康診断で血糖値が高いと指摘されたけど特に困っていない」という方も少なくありません。しかし、放置すると深刻な合併症を引き起こします。

ケトアシドーシスの症状

ケトアシドーシスは数時間〜数日の間に急速に悪化します。
代表的な症状は次の通りです。

  • ⚠️ 強い喉の渇き、多量の水分摂取
  • ⚠️ 頻尿
  • ⚠️ 吐き気、嘔吐、腹痛
  • ⚠️ 呼吸が深く速くなる(クスマウル呼吸)
  • ⚠️ 口から甘酸っぱいにおい(アセトン臭)
  • ⚠️ 強い倦怠感
  • ⚠️ 意識がもうろうとする

症状が進むと昏睡状態に陥り、適切な治療が遅れると重篤な状態に至る場合があります。

ケトアシドーシスが危険な理由

糖尿病性ケトアシドーシスは、特に1型糖尿病の人に多いですが、2型糖尿病でも感染症や薬の影響で起こることがあります。
血液の酸性化は全身の臓器に影響を与え、心臓、脳、腎臓など重要な臓器の機能を急速に低下させることがあります。

特に注意すべき点は、「初期は風邪や胃腸炎と間違いやすい」ことです。

吐き気や腹痛、倦怠感といった症状は一般的な病気でも見られるため、糖尿病を持っている方がこれらの症状を訴えた場合は、早急に血糖値や尿中ケトン体のチェックが必要です。

診断と治療

診断のポイント

POINT
  • ・血糖値の著しい上昇(通常250mg/dL以上)
  • ・血液検査でケトン体の増加
  • ・動脈血ガス分析で酸性(pH低下)を確認

治療

  • ・点滴での水分・電解質補正
  • ・インスリンの静脈投与
  • ・原因(感染症など)の治療

治療は入院管理が基本で、軽症でも自己判断で様子を見るのは避け、医療機関への相談が望ましいです。

予防のポイント

糖尿病性ケトアシドーシスは、日常生活での自己管理で多くが予防可能です。

血糖コントロールを怠らない

  • ✔ 医師の指示に従い、薬やインスリンを適切に使用する
  • ✔ 定期的な血糖測定を行う

体調変化に敏感になる

  • ✔ 発熱、感染症、ストレスなどで血糖が急上昇する場合がある
  • ✔ 具合が悪いときでもインスリンを急に中止しない(医師に相談)

水分補給をしっかり行う

  • ✔ 高血糖時は体から水分が失われやすく、脱水が悪化するとケトアシドーシスの危険が高まる

尿中ケトン体試験紙を活用

  • ✔ 自宅で簡単にチェックでき、早期発見につながる

まとめ

糖尿病性ケトアシドーシスは、糖尿病患者にとってもっとも危険な急性合併症のひとつです。
初期症状は軽くても、短時間で命に関わる状態に進行することがあるため、「いつもと違うな」と思ったら早めに医療機関へ。

本日のポイント

  • ✔ 糖尿病を持っている方は、吐き気・腹痛・強い喉の渇きがあればケトアシドーシスを疑う
  • ✔ 自己判断でインスリンや薬を中止しない
  • ✔ 血糖測定とケトン体チェックで早期発見を目指す

当院では糖尿病の診断・管理のほか、急な体調変化時の相談にも対応しています。
日頃から血糖管理をしっかり行い、合併症を防ぎましょう。

院長紹介

医療法人グッドライフグループ/グッドライフクリニック西町南
理事長/院長 野呂昇平(のろしょうへい)

旭川医科大学卒業

  • 日本救急医学会 救急科専門医
  • 日本産業衛生学会 産業衛生専攻医
  • 日本脳神経外科学会 専門医
  • 日本脳神経血管内治療学会 専門医
  • 日本脳卒中学会 専門医
  • 日本医師会認定健康スポーツ医
  • 日本医師会認定産業医
  • 健康運動指導士
  • JATEC インストラクター
  • ICLS認定インストラクター

ご挨拶

グッドライフクリニック西町南の野呂昇平と申します。
脳神経外科医として多くの手術症例や研究を経て、救急科専門医として札幌孝仁会記念病院(旧北海道大野記念病院)で西区や手稲区を中心に救急症例を診てきました。
2021年8月に現在の西町南に生活習慣病や在宅医療を中心に行う「グッドライフクリニック西町南」を開業。
2024年4月より医療法人グッドライフグループを設立。同時にクリニックの拡張工事を行い、生活習慣病や肥満外来以外にも新たに一般内科や通所リハビリテーション機能を備えたクリニックとして体制を整えました。

当院の特徴

① 幅広い疾患への対応と札幌市でも少ない生活習慣病に特化した外来

外科医、救急医としての専門性を基盤にし、生活習慣病や緊急疾患に対する診療を数多く行ってきました。メディカルフィットネスを併設しており、運動と食事を中心に丁寧な外来診療を心掛けております。
電話かオンラインでの予約制のため、受付~会計まで30分以内を目標にスタッフ一同努力しております。

② 充実した在宅医療、自慢のスタッフ

当院では訪問診療だけではなく、訪問看護、訪問リハビリテーションを行っており、通院が困難な患者様に対して医療保険と介護保険を利用したサービスを提供しております。私自身も救急医として、通常の在宅医が困難な処置や急変時の対応を得意としております。
当院の在宅医療の最大の特徴は訪問リハビリテーションです。「脳卒中」「運動器」「心血管」を専門とする多くの理学療法士が所属しており、スタッフの自己研鑽によりほとんどが健康運動指導士や公認パーソナルトレーナーなどの資格を有しております。

③ 積極的な予防医学の実施

当院では一般的な健診はもちろんのこと、該当する方には、医師、保健師、管理栄養士による特定保健指導を行います。積極的支援の対象の方は、併設するメディカルフィットネスを利用し、運動食事プログラムを行います。
また産業医の活動の一環として、企業で生活習慣病を指摘された方の診察や保健指導、集団予防接種を積極的に行っております。
健康教育の普及のために地区センターへの講演会、健康運動教室も定期的に開催しております。

外来紹介

  • 生活習慣病外来
  • 肥満外来
  • 小児肥満外来
  • 睡眠時無呼吸外来
  • 禁煙外来
  • 頭痛外来
  • アレルギー外来
  • 各種ワクチン接種

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