「会社でインフルエンザが流行してしまい、業務に大きな支障が出た…」
「ワクチン接種は個人の判断に任せているけれど、本当にそれでいいのか?」
このような声を、冬になると企業の担当者や社員の方から耳にする機会が増えます。インフルエンザは、毎年冬に流行を繰り返す感染症で、特に職場では一人が発症することで集団感染に広がるリスクがあります。重症化のリスクが比較的低いとされる若年〜中年層でも、「感染→欠勤→業務停滞→他社員の負担増加」という連鎖が起こり、企業活動全体に大きな影響を与えかねません。
今回は札幌市西区のグッドライフクリニック西町南より、「インフルエンザ予防は“職場の健康管理”から」と題し、インフルエンザ対策における産業保健の役割や、ワクチン接種の重要性について、企業や働く世代に向けて分かりやすく解説していきます。
インフルエンザの職場への影響は?
インフルエンザウイルスは、飛沫感染や接触感染によって急速に拡大します。特に職場のような閉鎖空間では、短期間で集団感染が発生する可能性があり、1人が感染すると、周囲の複数名が数日〜1週間単位で欠勤を余儀なくされるケースも珍しくありません。
企業活動に及ぼす影響
- 急な欠勤による業務の遅延
- 繁忙期の戦力低下
- クレームや納期遅延による信用低下
- 社員同士の不信感やストレスの増加
このようなトラブルは、事前に対策を講じることで未然に防ぐことが可能です。その一つが、インフルエンザワクチン接種の推奨・実施です。
インフルエンザワクチンの効果と意義
インフルエンザワクチンには、「感染予防」だけではなく、「重症化予防」という大きなメリットがあります。
ワクチン接種によるメリット
- 感染後の症状を軽減する可能性
- 発熱期間の短縮
- ウイルス排出期間の短縮の可能性
- 家族や同僚への感染リスク低下
厚生労働省でも、毎年の接種が推奨されており、特に高齢者や基礎疾患を持つ方はもちろん、職場で多くの人と接する方にも積極的な接種が勧められています。
また、インフルエンザと新型コロナウイルスは症状だけでは区別がつきにくく、同時流行によって医療機関の混雑や診断の遅れが起きやすい現状もあります。こうした混乱を避けるためにも、インフルエンザワクチンの接種による予防は有効です。
産業保健の現場でできること
「健康は個人の責任」とされがちですが、企業として社員の健康管理を推進することは、職場の安定運営や労働生産性の維持に直結します。ここでの鍵は、産業保健の考え方です。
産業保健で行うべき主な取り組み
- 年1回の健康診断に加えた感染症対策の情報提供
- 社内ワクチン接種の導入または接種費用の補助
- 感染時の対応マニュアル(オンライン対応、出社制限)の整備
- 体調不良時に無理をさせない職場風土の醸成
特にワクチン接種に関しては、企業側が費用を一部負担したり、勤務時間内に接種の機会を設けたりすることで、社員の接種率を高めることが可能です。インフルエンザ予防は、健康意識の向上や感染予防体制の強化につながると考えられます。
ワクチン接種の時期と注意点
インフルエンザワクチンは、接種から約2週間後に効果が出始め、約5ヶ月間効果が持続すると言われています。そのため、流行前の10月~11月中に接種を済ませることが理想です。
注意点
- 副反応として、接種部位の痛み・腫れ・微熱などが出ることがあります
- 持病がある方や免疫低下がある方は、事前に主治医と相談してください
- 今年はコロナとの同時流行が懸念されるため、インフルエンザワクチンとコロナワクチンの接種間隔にも配慮が必要です(一般的に2週間以上空けるのが安全とされます)
当院では、インフルエンザワクチンのほか、新型コロナワクチン接種や検査にも対応しており、企業向けの集団接種や個別相談にも応じております。お気軽にお問い合わせください。
感染予防はワクチンだけじゃない
もちろん、インフルエンザの予防にはワクチン以外にも基本的な衛生管理が欠かせません。
職場でできる感染症対策
- マスクの着用
- こまめな手洗い・手指消毒
- 十分な換気(冬場も必要)
- 共有物の消毒
- 会議や打ち合わせのオンライン化の推進
さらに、発熱や体調不良時には無理せず休める仕組みや風土づくりが大切です。「休めない空気」が職場にあると、無症状感染や軽症者による拡散のリスクが高まります。
まとめ
「インフルエンザ予防は職場の健康管理から」は、企業が今後取り組むべき課題のひとつです。感染症の流行は社員個人の健康だけでなく、職場全体のパフォーマンスや安全に直結します。
今シーズンのインフルエンザ対策について“職場ぐるみ”で取り組んでみませんか?
ご不明点やワクチン接種に関するご相談がありましたら、グッドライフクリニック西町南までお気軽にお問い合わせください。