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糖尿病

糖尿病の診断基準とは?最新ガイドラインに基づく明確な見極めポイント

糖尿病とは?基礎知識と種類の整理

糖尿病とは、インスリンの作用不足により慢性的に血糖値が高くなる代謝性疾患です。進行すると、網膜症、腎症、神経障害といった合併症を引き起こし、失明や人工透析の原因にもなります。

糖尿病は大きく以下の4つに分類されます。

📌 1型糖尿病

自己免疫により膵臓のβ細胞が破壊され、インスリンがほぼ出なくなるタイプ。若年者に多い。

📌 2型糖尿病

インスリンの分泌不足または作用不足。生活習慣と関連し、中高年に多く、全糖尿病の9割以上を占める。

📌 その他の特定の機序によるもの

遺伝子異常、膵外分泌疾患、内分泌疾患など。

📌 妊娠糖尿病

妊娠中に初めて診断される糖代謝異常。

糖尿病は「自覚症状が乏しい」ため、診断のための明確な基準と定期的な検査が非常に重要です。

糖尿病の診断基準:2024年版最新ガイドライン

日本糖尿病学会が定める糖尿病の診断基準(2024年版)は以下の通りです。

📋 糖尿病型と判定される数値

検査項目 基準値
空腹時血糖値 ≧126 mg/dL
75g経口ブドウ糖負荷試験(2時間値) ≧200 mg/dL
随時血糖値 ≧200 mg/dL
HbA1c(NGSP値) ≧6.5%

※上記のいずれか1つでも該当すれば「糖尿病型」と判定されます。
ただし、確定診断には別日に再検査を行い、同様の結果が確認されることが必要です。

また、明らかな高血糖を伴う典型的な症状(口渇、多尿、体重減少など)があれば、1回の検査結果でも診断が可能です。

特にHbA1cは過去1〜2ヶ月の血糖の平均を反映する指標で、診断や治療管理に活用されます。6.5%以上の場合は糖尿病型とされる可能性があり、医師の判断により再検査などが行われます。気になる方は医療機関での再検査をおすすめします。

診断時に用いられる検査とその基準値

糖尿病の診断には複数の検査が組み合わされます。以下が主な検査です。

🔍 空腹時血糖値

  • ・測定タイミング:10時間以上絶食後
  • ・糖尿病型:126 mg/dL以上
  • ・正常型:110 mg/dL未満、境界型:110〜125 mg/dL

🔍 75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)

事前に糖質制限しない食事を3日以上続けた後、空腹で75gのブドウ糖を飲み、0分・30分・60分・120分で血糖値を測定します。

2時間値が200mg/dL以上で「糖尿病型」とされます。

🔍 HbA1c(過去1〜2ヶ月の平均血糖)

  • ・6.5%以上:糖尿病型
  • ・6.0〜6.4%:糖尿病予備群の可能性
  • ・5.6%未満:正常範囲

このように複数の指標を用いることで、より正確な診断が可能となります。

境界型・予備軍の見極めと注意点

糖尿病と診断されるほどではないが、将来的に糖尿病になるリスクが高い状態を「境界型」または「糖尿病予備群」と呼びます。例えば、HbA1cが6.0〜6.4%、空腹時血糖値が110〜125 mg/dLなどのケースです。

この段階での生活改善が、糖尿病の発症を防ぐ重要なポイントとなります。

💡 医師としての視点

境界型の段階で気づけるかどうかが、その後の人生を大きく左右します。生活習慣の指導(食事、運動、禁煙)を早期に行うことで、生活習慣の見直しが糖尿病発症リスクの軽減に役立つことが報告されています。

診断後の対応と生活指導の重要性

糖尿病は「治療する」というよりも、「付き合っていく」病気です。診断が確定した時点で重要なのは、次の3つです。

  • 🗣️ 患者に事実をしっかり伝えること
  • 🤝 ショックや否認に寄り添いながら、生活改善の必要性を理解してもらうこと
  • 🎯 医療者と患者が同じゴールを共有すること

続いて、糖尿病治療の柱として以下の3つがあります。

  • 食事療法:糖質コントロールとカロリー計算
  • 運動療法:週150分以上の中強度運動
  • 薬物療法:メトホルミンなどの経口薬、1型糖尿病の場合はインスリン治療

糖尿病と診断されたからといって絶望する必要はありません。むしろ、早期に生活習慣を見直すことで、合併症のリスクを抑えることが可能です。

まとめ

糖尿病は早期診断と早期対応が極めて重要な疾患です。日本糖尿病学会の診断基準では、空腹時血糖値、随時血糖値、OGTT、HbA1cなど複数の数値が明確に定められています。

これらを組み合わせ、必要であれば再検査を行い、確実に診断することが求められます。特に「予備群」段階での介入がその後の健康を左右します。

医師の立場から言えるのは——
今の生活習慣を見直すことが、未来の健康を守る最大の予防策であるということです。

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