お子さまの”今”の
生活習慣
見直せていますか?
小児肥満の現状と札幌での傾向
日本全体での増加
文部科学省の「学校保健統計調査」によると、肥満傾向児の割合は20年間で着実に増加しています。
特に小学校高学年や中学生では、約10人に1人が肥満傾向とされます。
札幌・北海道特有の背景
- 冬の運動量低下(雪、寒さによる外遊びの減少)
- 室内生活中心による消費エネルギーの低下
- 間食や甘い飲料の摂取頻度増加
- 車移動が多く歩行量が少ない生活
また、コロナ禍による「外出機会が減り、体重が増えた」「学校の運動が制限された」など社会的な要因も影響を与えています。
小児肥満とは?
小児肥満とは、成長期の子どもにおいて年齢・性別に応じた適正体重を超えて脂肪が過剰に蓄積している状態を指します。診断には肥満度(%)や年齢別BMI基準値を用います。

小児肥満の放置によるリスク
大人になると自然に痩せる…と思われがちですが、実際には小児期の肥満が成人肥満につながる確率は非常に高いとされる報告もあります。
米国の研究では、肥満の小学生の約8割が、20歳時点でも肥満であるというデータがあります。
つまり、「小さい頃の習慣」が将来の体型と健康を左右するといっても過言ではありません。
身体的リスク
- 高血圧症
- 脂質異常症(LDLコレステロール上昇)
- 2型糖尿病
- 脂肪肝
- 睡眠時無呼吸症候群
- 関節や骨への負担(膝痛、偏平足など)
精神・社会的リスク
- 見た目によるいじめやからかい
- 自己肯定感の低下
- 運動嫌い・引きこもり傾向

小児肥満の主な原因






家庭で今日からできる5つの対策
野菜・魚・大豆中心のバランス食を意識し、揚げ物は週1回程度に控えましょう。
具体的な工夫
- 野菜を一食に2品以上取り入れる
- 汁物で満腹感を高める
- ジュースよりも水かお茶を基本に


おやつを完全に禁止する必要はありませんが、「時間と量」を決めることが大切です。
おすすめのルール
- 1日1回、15時~16時の間に食べる
- 200kcal以内を目安に
- 果物やナッツ、ヨーグルトなど健康的な選択を
親子でウォーキングに出かける、ボール遊びをするなど楽しみながら体を動かせる工夫を取り入れましょう。
アイデア
- 「ながら運動」:テレビを見ながらストレッチ
- 「歩くゲーム」:万歩計アプリで家族対抗
- 雪国なら「除雪」も良い運動になります


小学生なら9~10時間、中学生でも8~9時間の睡眠が推奨されています。夜更かしが習慣化している場合は、就寝・起床時間の固定から始めましょう。
ポイント
- 寝る前1時間はテレビやスマホを控える
- 寝室を暗く静かに整える
- 就寝前の入浴で体温を一時的に上げてから寝ると眠りやすくなる
「子どもだけに頑張らせる」は逆効果です。家族で取り組むことで継続性が高まり、子どもも自然と良い習慣を身につけます。
できること
- 家族全員で同じ食事をとる
- 一緒に運動する
- 達成したら一緒に小さなご褒美を設定する(例:公園、図書館へおでかけ)

当院の小児改善プログラム
当院では「小児肥満=見た目の問題」とは考えず、成長段階にある子どもが、いかに健康的に過ごせるかを重視して診療を行っています。
(当院は診断・治療方針を医師が判断し、患者さま一人ひとりの状態に応じた対応を行っています)
3つの柱
- 医学的評価:体格だけでなく、血液検査や成長のバランスも確認
- 生活指導:過度な制限ではなく、生活スタイルの見直し
- 家族の関与:家庭全体で取り組むことの重要性
対象のとなるお子さんは?
当院では小中学生を対象とした小児肥満外来を行っております。以下のようなお子さんが対象となります。






診療の流れ
当院の小児肥満外来では、以下のような流れで診療を進めます。
- 予約
- 完全予約制のため、お電話もしくはオンラインでご予約ください。
※初診時には、保護者同伴での来院をお願いしていますので、同伴できる日時でご予約ください。

- 初診・問診
- 生育歴、食事や運動、睡眠などの生活習慣についてお伺いします。学校での様子や心配な行動があれば、遠慮なくお伝えください。
また、母子手帳やこれまでの健康診断の記録があれば持参してください。成長曲線(発育のグラフ)を見ることで、「今の体格が正常であるか、成長過程の一部であるか」を判断します。

- 身体計測・検査
- 身長、体重、腹囲、体脂肪率、血圧測定、必要に応じて血液検査(コレステロール、血糖、肝機能など)を行います。
これらの数値をもとに、肥満のタイプや重症度を評価します。

- 生活習慣のアドバイス
- 2回目に受診した際に、検査結果をふまえた上で、お子さんと保護者の方にフィードバックします。
無理なダイエット指導ではなく、アドバイスを行います。

どんなアドバイス?
- 食事量の調整(特に間食や夜食の見直し)
- 食べる順番、食事時間の改善
- スクリーンタイム(スマホ、テレビ)の制限
- 睡眠時間の見直し
- 家族でできる運動習慣の提案
お子さん本人が前向きになれるよう、「できたことを褒める」「お子さんの努力を見守る」支援を大切にしています。
Q&A(よくある質問)




院長紹介
医療法人グッドライフグループ/グッドライフクリニック西町南
理事長/院長 野呂昇平(のろしょうへい)
旭川医科大学卒業
- 日本救急医学会 救急科専門医
- 日本産業衛生学会 産業衛生専攻医
- 日本脳神経外科学会 専門医
- 日本脳神経血管内治療学会 専門医
- 日本脳卒中学会 専門医
- 日本医師会認定健康スポーツ医
- 日本医師会認定産業医
- 健康運動指導士
- JATEC インストラクター
- ICLS認定インストラクター

ご挨拶
グッドライフクリニック西町南の野呂昇平と申します。
脳神経外科医として多くの手術症例や研究を経て、救急科専門医として札幌孝仁会記念病院(旧北海道大野記念病院)で西区や手稲区を中心に救急症例を診てきました。
2021年8月に現在の西町南に生活習慣病や在宅医療を中心に行う「グッドライフクリニック西町南」を開業。
2024年4月より医療法人グッドライフグループを設立。同時にクリニックの拡張工事を行い、生活習慣病や肥満外来以外にも新たに一般内科や通所リハビリテーション機能を備えたクリニックとして体制を整えました。
当院の特徴
① 幅広い疾患への対応と札幌市でも少ない生活習慣病に特化した外来
外科医、救急医としての専門性を基盤にし、生活習慣病や緊急疾患に対する診療を数多く行ってきました。メディカルフィットネスを併設しており、運動と食事を中心に丁寧な外来診療を心掛けております。
電話かオンラインでの予約制のため、受付~会計まで30分以内を目標にスタッフ一同努力しております。
② 充実した在宅医療、自慢のスタッフ
当院では訪問診療だけではなく、訪問看護、訪問リハビリテーションを行っており、通院が困難な患者様に対して医療保険と介護保険を利用したサービスを提供しております。私自身も救急医として、通常の在宅医が困難な処置や急変時の対応を得意としております。
当院の在宅医療の最大の特徴は訪問リハビリテーションです。「脳卒中」「運動器」「心血管」を専門とする多くの理学療法士が所属しており、スタッフの自己研鑽によりほとんどが健康運動指導士や公認パーソナルトレーナーなどの資格を有しております。
③ 積極的な予防医学の実施
当院では一般的な健診はもちろんのこと、該当する方には、医師、保健師、管理栄養士による特定保健指導を行います。積極的支援の対象の方は、併設するメディカルフィットネスを利用し、運動食事プログラムを行います。
また産業医の活動の一環として、企業で生活習慣病を指摘された方の診察や保健指導、集団予防接種を積極的に行っております。
健康教育の普及のために地区センターへの講演会、健康運動教室も定期的に開催しております。
外来紹介
- 生活習慣病外来
- 肥満外来
- 小児肥満外来
- 睡眠時無呼吸外来
- 禁煙外来
- 頭痛外来
- アレルギー外来
- 各種ワクチン接種

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