「インフルエンザの予防接種を受けたいけど、注射が怖くて毎年悩んでいる」
「子どもが注射を嫌がってなかなか予防接種が進まない」
そんなお悩みを持つ方に朗報です。近年、日本でも徐々に導入が進んでいる、鼻から吸入するタイプのインフルエンザワクチン「フルミスト(FluMist)」をご存知でしょうか?
今回は札幌市西区のグッドライフクリニック西町南より、「フルミストとはどんなワクチンなのか?」「従来型の注射との違いは?」「どんな方に向いているのか?」「注意点は?」というポイントに絞ってわかりやすくご紹介していきます。
目次
フルミストとは?注射を使わないインフルエンザワクチン
「フルミスト(FluMist)」は、注射ではなく鼻にスプレーして接種するタイプの生ワクチン(弱毒化ウイルスを使用)です。米国では以前から使用されており、2~49歳の健康な方を対象に接種が可能とされています。
特徴
- 鼻からスプレーするだけで接種完了
- 注射針を使わないため痛みがほぼない
- 免疫反応が自然感染に近く、粘膜免疫(IgA)の誘導が期待される
- 1回の接種で効果を発揮するケースもある(初回除く)
フルミストと従来の不活化ワクチン(注射)の違い
| 特徴 | フルミスト | 従来の注射ワクチン |
| 種類 | 生ワクチン | 不活化ワクチン |
| 接種方法 | 鼻からスプレー | 皮下注射 |
| 接種年齢 | 原則2~18歳(19~49歳は任意で可能) | 生後6か月以上 |
| 作用機序 | 粘膜免疫+全身免疫 | 主に全身免疫 |
| 痛み | なし | あり(注射) |
| 接種回数 | 原則1回 | 年齢により2回必要 |
フルミストは「生ワクチン」であり、体内で増殖しながら免疫を誘導するため、注射よりも自然な感染に近い免疫応答を引き起こします。一方、従来の注射ワクチンは「不活化ワクチン」であり、ウイルスの感染性を失わせた形で体内に取り入れるため、増殖はせず、安全性が高いという特長があります。
メリット
① 注射が苦手な方
針を使わないので、注射恐怖症の方や小さなお子さんにとって大きなメリットです。
② 鼻粘膜での免疫獲得を重視したい方
インフルエンザウイルスは鼻や喉から感染します。フルミストは鼻の粘膜に直接作用し、局所免疫(IgA)を高めるため、感染そのものを防ぐ効果が期待されます。
③ 接種の痛みを避けたい方
スプレー形式であるため、チクッとする感覚が一切なく、短時間で終わるのも利点の一つです。
デメリット・注意点
フルミストにはメリットが多くありますが、使用にはいくつかの注意点と制限があります。以下のような方には原則として使用できません。
■ 使用できない主なケース
- 2歳未満および50歳以上
- 妊娠中の方
- 免疫力が低下している方(ステロイド治療中、抗がん剤治療中など)
- 喘息や慢性呼吸器疾患のある方(5歳未満の喘息歴含む)
- アスピリンを長期使用している小児
- 過去にフルミストで重篤な副反応があった方
■ 懸念点・副反応
- 鼻水・鼻づまり、くしゃみなどの軽い風邪症状が接種後にみられることがあります。
- まれに発熱や頭痛、倦怠感が起こることもあります。
- ウイルスが生きているため、他人に感染させるリスク(ごくわずか)が理論上はあります。
そのため、家庭内に免疫が弱い方がいる場合(乳児、高齢者、抗がん剤治療中の方など)は、接種後1週間程度は注意が必要!
接種可能な医療機関は限られている
現在、日本国内ではまだ広く普及しておらず、フルミストを取り扱っている医療機関は限られています。希望される方は事前にクリニックにお問い合わせいただくことをおすすめします。
当院(グッドライフクリニック西町南)では2025年度はフルミストの取り扱いは行っておりませんが、2026年以降は少数ですが入荷する予定です。
まとめ 注射が苦手な方には検討の価値あり
フルミストは、インフルエンザの予防接種において新しい選択肢となり得ます。特に、注射が苦手な方や小さなお子さまにとっては、より受け入れやすい方法といえるでしょう。
ただし、生ワクチンであるため対象年齢や持病の有無などの慎重な判断が必要です。自己判断せず、医師と相談のうえで選択することが大切です。
院長紹介
医療法人グッドライフグループ/グッドライフクリニック西町南
理事長/院長 野呂昇平(のろしょうへい)
旭川医科大学卒業
- 日本救急医学会 救急科専門医
- 日本産業衛生学会 産業衛生専攻医
- 日本脳神経外科学会 専門医
- 日本脳神経血管内治療学会 専門医
- 日本脳卒中学会 専門医
- 日本医師会認定健康スポーツ医
- 日本医師会認定産業医
- 健康運動指導士
- JATEC インストラクター
- ICLS認定インストラクター

ご挨拶
グッドライフクリニック西町南の野呂昇平と申します。
脳神経外科医として多くの手術症例や研究を経て、救急科専門医として札幌孝仁会記念病院(旧北海道大野記念病院)で西区や手稲区を中心に救急症例を診てきました。
2021年8月に現在の西町南に生活習慣病や在宅医療を中心に行う「グッドライフクリニック西町南」を開業。
2024年4月より医療法人グッドライフグループを設立。同時にクリニックの拡張工事を行い、生活習慣病や肥満外来以外にも新たに一般内科や通所リハビリテーション機能を備えたクリニックとして体制を整えました。
当院の特徴
① 幅広い疾患への対応と札幌市でも少ない生活習慣病に特化した外来
外科医、救急医としての専門性を基盤にし、生活習慣病や緊急疾患に対する診療を数多く行ってきました。メディカルフィットネスを併設しており、運動と食事を中心に丁寧な外来診療を心掛けております。
電話かオンラインでの予約制のため、受付~会計まで30分以内を目標にスタッフ一同努力しております。
② 充実した在宅医療、自慢のスタッフ
当院では訪問診療だけではなく、訪問看護、訪問リハビリテーションを行っており、通院が困難な患者様に対して医療保険と介護保険を利用したサービスを提供しております。私自身も救急医として、通常の在宅医が困難な処置や急変時の対応を得意としております。
当院の在宅医療の最大の特徴は訪問リハビリテーションです。「脳卒中」「運動器」「心血管」を専門とする多くの理学療法士が所属しており、スタッフの自己研鑽によりほとんどが健康運動指導士や公認パーソナルトレーナーなどの資格を有しております。
③ 積極的な予防医学の実施
当院では一般的な健診はもちろんのこと、該当する方には、医師、保健師、管理栄養士による特定保健指導を行います。積極的支援の対象の方は、併設するメディカルフィットネスを利用し、運動食事プログラムを行います。
また産業医の活動の一環として、企業で生活習慣病を指摘された方の診察や保健指導、集団予防接種を積極的に行っております。
健康教育の普及のために地区センターへの講演会、健康運動教室も定期的に開催しております。
外来紹介
- 生活習慣病外来
- 肥満外来
- 小児肥満外来
- 睡眠時無呼吸外来
- 禁煙外来
- 頭痛外来
- アレルギー外来
- 各種ワクチン接種

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生活習慣病のこと、お気軽にご相談ください。
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