北海道特有のヒートショックについて
皆さん、こんにちは!グッドライフクリニック西町南です!
グッドライフクリニック西町南では健康と運動を通して、患者様がより良い生活を送るために定期的な情報発信を行っております。
はじめに
皆さん、ヒートショックとはご存じでしょうか?
ヒートショックとは、急激な温度変化により血圧が変動し、身体に異常をきたす現象です。
今回は北海道特有のヒートショックについてまとめてみました!
北海道で起こるヒートショック
通常ヒートショックは寒暖差の大きい「入浴中」に起こることが多いです。しかし北海道の場合は冬も部屋が暖かく、浴室が寒いことが分かっているため、事前に寒暖差が少なくなるような工夫をする方が多いです。
また入浴時間も全国平均より低いのも要因と考えられています。
北海道の冬は厳しい寒さが特徴です。そのため、住宅内外での温度差が大きく、屋外でヒートショックが起きてしまい致命的になることも。
北海道における特徴的な発生状況、予防法、そして万が一ヒートショックが起きた場合の対応法について詳しく解説します。
ヒートショックとは?
ヒートショックとは、急激な温度変化が体に与える負担により、血圧が急激に上昇または低下し、身体に異常をきたす現象です。例えば、冷えた脱衣所や浴室から暖かい浴槽に入った瞬間、または温かいリビングから寒いトイレに移動した瞬間に起きることが多いです。
この急激な血圧変動が、以下のような重大な健康リスクを引き起こす場合があります。
- 脳梗塞や脳出血
- 心筋梗塞
- 失神や転倒事故
特に高齢者や持病を持つ人々は、ヒートショックの影響を受けやすいとされています
ヒートショックの発生要因
1.急激な寒暖差
血管が急激に収縮したり拡張したりすることで、血圧が変動します。
2.血管の柔軟性の低下
加齢や生活習慣病による血管機能の低下も、リスクを高めます。
3.環境要因
特に寒冷地では、家屋内外の温度差が大きくなりやすく、ヒートショックが起きる可能性が高まります。
北海道はヒートショックが多いのか?
北海道の冬は他の都府県とは異なり、気温が氷点下になる日が続く厳寒期が特徴です。そのため、室内外の温度差が大きくなり、ヒートショックのリスクが上昇します。
北海道の気温の特徴
- 冬の平均気温は氷点下(札幌の1月平均気温は約-3.6℃)
- 降雪による冷え込みが連日続く
これにより、特に夜間や早朝に発生するヒートショックのリスクが高まります。
- 北海道の住宅事情
北海道の住宅は寒冷地仕様になっていますが、それでも一部の環境ではヒートショックリスクを増大させる要因があります。
古い住宅の問題点:
- 部屋ごとに暖房を使用する家庭が多く、部屋間の温度差が生じやすい。
- 脱衣所や浴室、トイレなどに暖房設備がない場合が多い。
新しい住宅の特徴:
近年では全館暖房システムを採用する住宅が増えていますが、まだすべての家庭で普及しているわけではありません。一部の家庭では、暖房のコストを抑えるために限られた部屋だけを暖める傾向があります。
地域よりも割合が高い傾向があります。これは北海道独特の環境や住宅事情が関係していると考えられています。
ヒートショックの予防法
ヒートショックは、適切な対策を講じることで予防可能な現象です。以下に具体的な予防策を挙げます。
- 家庭内の温度差をなくす工夫
北海道の冬場において、家庭内での温度差を減らすことが最も重要です。
暖房設備の工夫:
- 脱衣所や浴室に暖房を設置する
脱衣所や浴室に小型の暖房器具を設置し、入浴前に部屋を暖めることで温度差を解消します。 - 全館暖房の導入
家全体を一定の温度に保つ全館暖房システムは、温度差を最小限に抑える最善策です。
断熱性の向上:
- 古い住宅では窓や壁の断熱改修を検討し、室内の保温性を高めることが効果的です。
- 入浴時の注意
ヒートショックが発生しやすいタイミングは、入浴時です。以下の点に注意しましょう。
湯温の設定:
- お湯の温度は40℃以下に設定するのが理想です。熱すぎるお湯は血圧を急激に上昇させる原因になります。
入浴の手順:
- 体を浴槽に沈める前に、足元や手をお湯で温める習慣をつけましょう。
- 入浴時間を10〜15分以内に留めることで、長時間の温熱負荷を避けられます。
- 日常生活での健康管理
ヒートショックの予防には、日常生活での健康管理も欠かせません。
規則正しい生活:
- バランスの取れた食事と十分な水分補給を心がけましょう。
- 適度な運動は、血管を健康に保つ効果があります。
高血圧や心疾患の管理:
- 持病を持つ場合は、定期的に医師の診断を受け、適切な治療を受けることが大切です。
4.足腰をしっかり鍛えておく
入浴時、屋外でのヒートショックは体調不良や脱力感のためいつもより全身の力が入らなくなります。入浴中ならすぐに浴室から出て安静にしなければいけないが、下肢の筋力が低下している場合、一人ではでることができず長湯となり溺水するケースが非常に多いです。
また屋外では、ふらつきによる転倒で重症頭部外傷や骨折を引き起こすため、普段のトレーニングが重要となります。
ヒートショックになっても助かる方法
ヒートショックが発生した場合、迅速な対応が命を救うカギとなります。以下は、万が一の事態に備えた具体的な対応策です。
- ヒートショックの兆候を見逃さない
ヒートショックが発生した際に見られる主な症状には以下があります:
- 急なめまいやふらつき
- 意識を失う
- 胸の痛みや息切れ
これらの兆候がある場合、すぐに対応を取る必要があります。
- 緊急時の対応
以下の手順を覚えておくことで、ヒートショックによる被害を最小限に抑えることができます。
迅速な行動:
- 安全な場所へ移動させる
浴室や脱衣所から暖かい部屋に移動し、体を保温します。 - 救急車を呼ぶ
症状が重い場合や意識がない場合は、すぐに119番通報してください。
応急処置:
- 毛布やタオルで体を温め、冷えを防ぎます。
- 無理に移動させず、安静を保ちます。
- 家族や周囲の協力
高齢者が一人で入浴しないようにし、家族や介護者が見守る体制を整えることが重要です。異変を感じた場合に迅速に対応できるよう、緊急連絡先やAEDの使用方法を確認しておきましょう。
おわりに
北海道の厳しい冬を快適に過ごすためには、ヒートショックのリスクを正しく理解し、予防対策を講じることが不可欠です。家庭内の温度差を減らし、入浴時の注意を守ることで、ヒートショックのリスクを大幅に低下させることができます。また、普段から体を鍛えることでヒートショックになってしまっても重大な事故にならないようにすることはできます。
グッドライフクリニックでは健康と運動を通して、患者がより良い生活を送るために定期的な情報発信を行っております。健康面のことで相談がある場合は診察予約をしてください。
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