「親戚がくも膜下出血で亡くなってしまった。不安になったので脳ドックを受けたい」
「脳ドックを受ける理由がわからない」
長く脳神経外科領域に関わってきて思うことは、くも膜下出血を少しでも少なくするために、全国民が40歳過ぎたら一度は脳のMRIを撮ってほしいです。胃がんや胃バリウムは35歳を過ぎたら、協会けんぽだと毎年行わなければならず、苦しい思いをして受けます。せめて生活習慣病だったり、家族歴にくも膜下出血のある人は40歳過ぎたら、一回だけで良いから国で助成して受けさせてほしいものです。
今回は「40歳を過ぎたら脳ドックを|脳卒中予防の重要ポイント」をテーマに記事を作成しました。ぜひ最後までご覧ください!
目次 [非表示]
40歳からの脳卒中リスクと脳ドックの重要性
脳卒中は、日本人の死因第4位であり、寝たきりや介護が必要になる主な原因の一つです。特に40歳を過ぎると、そのリスクは急激に上昇します。
厚生労働省のデータによると、日本では年間約11万人が脳卒中を発症しています。また、脳卒中は突然発症し、命に関わるだけでなく、重い後遺症を残すことが多い病気です。
しかし、脳卒中は「予防可能な病気」とも言われています。その鍵となるのが 「脳ドック」 です。脳ドックを受けることで、発症前に異常を発見し、適切な対策を取ることができます。
脳卒中とは? その種類とリスク要因
脳卒中は、 脳の血管が詰まる、または破れることで発生する病気 です。大きく分けて以下の3種類があります。
① 脳梗塞
脳の血管が詰まり、血流が途絶えて脳細胞が壊死する病気。高血圧、糖尿病、脂質異常症などが主な原因。
② 脳出血
脳の細い血管が破れて出血し、脳を圧迫する病気。高血圧が主な原因。
③ くも膜下出血
脳の表面にある動脈瘤が破裂し、大量の出血を起こす病気。主に動脈瘤(血管のコブ)が破れることで発症し、命に関わるケースが多い。
脳卒中の主なリスク要因
・ 高血圧(最大の危険因子)
・ 糖尿病(血管を傷つける)
・ 脂質異常症(動脈硬化を進行させる)
・ 喫煙(血管を収縮させる)
・ 過度な飲酒(血圧を上昇させる)
これらの要因が重なることで、脳卒中のリスクは大きく高まります。
脳ドックとは? 具体的な検査内容と費用感
脳ドックは 脳卒中のリスクを早期に発見するための専門的な検査 です。主に以下の検査が含まれます。
脳ドックの主な検査内容
MRI(磁気共鳴画像検査)
脳梗塞の兆候や脳腫瘍の有無を調べる
MRA(磁気共鳴血管画像検査)
脳の血管の状態を確認し、動脈瘤や血管の狭窄を調べる
頸動脈エコー
頸動脈の動脈硬化の進行度を調べる
血液検査
糖尿病や脂質異常症の有無を確認する
脳ドックの費用と健康保険適用について
・一般的な脳ドックの費用は 3〜5万円(病院によって異なる)
・健康診断のオプションとして受けられることもある
・基本的に 健康保険適用外 だが、一部自治体で助成制度がある
脳ドックを受けるべき人とは?
脳卒中のリスクが高い人は、特に 40歳を過ぎたら脳ドックを受けるべき です。
脳ドックを受けたほうがいい人の特徴
✔ 40歳以上の人(特に男性)
✔ 高血圧・糖尿病・脂質異常症のいずれかがある人
✔ 喫煙・過度な飲酒をしている人
✔ 家族に脳卒中を発症した人がいる場合
予防のためにできること:生活習慣の改善と定期検診のすすめ
① 食事
・塩分を控え、高血圧を防ぐ
・魚、野菜、大豆製品を積極的に摂る
② 運動
・週150分以上の有酸素運動(ウォーキング・水泳など)
③ ストレス管理
・睡眠をしっかりとる
・リラックスする時間を確保する
定期的な脳ドックを受けることで、これらの対策の効果を確認しながら予防できます。
まとめ:40歳を過ぎたら脳ドックを受けよう
脳卒中は予防が可能な病気 です。そのためには、 早期発見・早期対策が重要 になります。
✔ 40歳を過ぎたら脳ドックを受ける
✔ 生活習慣を改善し、脳卒中リスクを減らす
✔ 家族歴がある人は特に注意する
脳卒中は一度発症すると後遺症が残ることが多いため、 「予防こそ最大の治療」 です。ぜひ、この機会に脳ドックを受けることを検討してみてください。